☆ ページ19
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恋心は殺せない。
私の力じゃ殺せない。
けれど私は、どうしてもこの想いを殺さなければと必死だった。
どこで踏み外したのだろう。
もっと模範的な生徒でいたかった。
両親にも恩返しをしたかった。
でもそれも出来そうにない。
一刻も早くこの想いを消してしまわなければ、
私は恋い焦がれた貴方を困らせてしまうから。
恋を殺す方法なんて無かったの。
見つからなかった、どれだけ探しても見当たらなかった。
それならこうするしかないでしょう。
恋心ごと、私自身を殺めるほかに術はないの。
馬鹿で、親不孝で、与えられた恩を仇で返すことになってしまった。
死ぬのが怖くない、なんて言えない。
そんなの当たり前だ。
それでも私は
「Aさん!!戻ってきなさい!!」
「――……」
もう、こうする他にないの。
ごめんなさい。
死んでも尚、きっと困らせてしまうし迷惑をかけると思うけれど。
結局私は、自分が可愛い馬鹿な人間だった。
もうこれ以上、苦しんでまで生きていたくないと思ってしまった。
貴方を想って苦しむくらいなら、いっそ死んでしまいたいと思ってしまった。
「……い、とう、せんせい」
「……!!」
「ごめ、なさ……。わ、たし」
留めていた想いが溢れ出す。
ごめんなさい、涙が止まらなくて顔がぐちぐちゃだろうから、
最後の最後まで顔を見せられないや。
だって、せめて貴方に残る私の最後は、
笑顔で在りたかったんだもの。
「――……すき、でした」
「待っ――……!!」
その日私は、自分の中にある恋心を殺すべく、
恋心ごと空中に身を投げた。
さようなら、先生。
どうしようもない生徒でごめんなさい。
先生のことが、大好きでした。
――
―
『――……それでは次のニュースです。
昨日17時頃、××市に在住していた少女が――。
尚、この少女は奪声症を発症しており――……』
END
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ゆーき - エッ智春さん！？戻ってきてたんですか！？！？うわああああめっちゃ嬉しいです！(；_；)そして大好きな作者さんばかりなので毎回楽しく見させていただいてます◎これからも応援してます (2016年3月23日 18時) (
レス) id: 675204a53d (このIDを非表示/違反報告)
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