第二十七話 ページ29
「貴方、アレン様がいるのにそんなことしていいのですか！？ 信じられません……！！」
何故私は、頬をぶたれなければいけなかったのだろうか。
時は少し前に遡る。
パーティが終わったら、私たち生徒は寮に帰った。
私はいつも通りに眠り、起きて登校した。手紙も周りからの視線も変わっていなかった。何もかも変わってしまった、変わらない日が今日も始まっていた。
ランチタイムも一人で食べて、教室に戻ろうとした時、同じクラスの御令嬢が私に近づいてきた。
「ガルワ様、少しお時間をいただけますでしょうか？」
「ええ、問題ありません」
どうしたのだろう。彼女は私と話したがらない人だった気がするのだが。そう思いながら私は彼女の後をついて行った。
ついたのは奇跡か偶然か、昨日私が蹲っていた中庭だった。こちらの中庭は学園でも北に位置するためか、人は殆ど通らない。
彼女はこちらを振り向いた。何か怒っているような表情だ。私は別に、彼女に何かしたわけじゃあないのだが……。
パンッ！
……は？
頬が痛い。呆然としてそこに手を当てると、ジンジンとした痛みが広がってきた。
そして冒頭に戻る。
彼女は分かっていないような顔の私を見て、更に腹を立てたようだった。
「貴方、エリザ様に酷いことをしているのでしょう？ アレン様が貴方に構ってくれなくなったからですか？ なんて我儘なのですか、貴方は！ それならアレン様も離れていくに決まってます。他人に嫉妬するより前に、貴方の態度を改善されたらどうですか！」
早口でまくしたてられ少し聞き取れなかったが、どうやらエリザへの嫌がらせをやめろと言っているらしい。成る程、彼女はエリザのご友人なのか。
しかし、やってもいないことをやめろと言われても困ってしまう。それに、アレン様との関係は今も昔も変わっていないから、寂しくは思えど嫉妬なんてするはずないのに。
「お言葉ですが。まずは貴方が冷静になるべきです。人があまり通らないからと言って、暴力に走るのははしたないですわ」
「ガルワ様、それは貴方に言いたいですわ。そっくりそのままお返ししましょう」
話が通じない。ため息をつきそうになったが、なんとか耐える。
これ以上面倒なことにはしたくない。
「ロワ様への嫌がらせについては、まぁ善処いたします。次の授業に遅れてしまいますわ」
相手の言葉も聞かずにその場を去る。
私たちのこの様子を、陰から見ていた人が居たことを私は知らない。
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ふう(プロフ) - 読ませて頂きました!!もうほんと途中胸痛かったけど、最後ハピエンで良かったです!!何か、自分をみてくれないって思ってたところがえりざ?ちゃんと夢主ちゃん似てるな、って思いました!!素晴らしかったです! (2019年9月13日 17時) (
レス) id: 98934c9ea5 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：真冬 | 作成日時：2018年1月19日 23時
