第三話 ページ5
放課後は委員会に必ず行かなければならないから、生徒会室に行った。
生徒会に入ったのは、入らないとまたお小言を言われるから。それだけは勘弁だった。
一年だから、最高位の役職は副会長。でも、一年の時に副会長を務めた人は、殆どが会長になっている。勿論ならなかった人もいたが、それは立候補しなかったからだ。再来年、私が名乗りを上げたら会長になれるだろう。
……なれる、だろうか。
頭を過るのは、今日転校してきたあの子の顔。
来年の選挙まで、彼女の信頼度は私への信頼度をはるかに上回るかもしれない。
彼女は、素直だ。その素直さは人を惹きつける。もし先生に誘いをかけられ、同意をしたら?
私に話がくることはない。私は会長となって皆の前に立っているエリザを想像した。想像できてしまった。
これじゃあ、私の負けは確定じゃない。
寧ろ、私はこれから負け続けるしかないのかしら?
嫌だけど、そうなることに抵抗したって、更に辛くなるだけのような気がしてくる。運命は運命だと諦めて、また我慢すればいいだけの事。
「今日も顔が暗いね、ガルワくん?」
「あ、ヴィシア様」
今日もお早いですね、とお決まりの挨拶をする。
クレア・ロット・ヴィシア。王族直属の騎士を何人も輩出した騎士爵家の長男だ。歴代最高の騎士だと言われている。
アレン様とお話している場面を何度か見たことがあるから、きっと仲も良いのだろう。
「すみません、昨夜はあまり眠れなかったもので」
「またそれかい? いい加減休まないと、倒れるよ?」
まあ、頑張り屋さんのおかげで助かってるのも事実だけどね。
そう、ヴィシア様は笑っていた。
生徒会には、ヴィシア様と私のほかに九人いて、合計十一人で構成されている。
別に人数的に足りないわけではないが、私が勝手に仕事を持ちかえってやっているだけだ。だから、感謝をされても困ってしまう。
「今日は仕事がないから、帰っても大丈夫だよ」
「そう……ですか。では、失礼しました。」
生徒会だからって仕事は多いわけではないので、その場で即解散となることは普通にある。そちらのほうが多いぐらいだろう。ピアノのコンクール、学園祭など、そういう大きな行事が間近に控えている頃しか夜遅くまで学園に残ることはない。
まっすぐ学生寮に戻った。
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ふう(プロフ) - 読ませて頂きました!!もうほんと途中胸痛かったけど、最後ハピエンで良かったです!!何か、自分をみてくれないって思ってたところがえりざ?ちゃんと夢主ちゃん似てるな、って思いました!!素晴らしかったです! (2019年9月13日 17時) (レス) id: 98934c9ea5 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:真冬 | 作成日時:2018年1月19日 23時