【金カム】地獄の果てで会いましょう 2【尾形】 (ページ6)

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樺太へページ6

暗闇の中、私は誰かを追いかけていた。

「待って！」

そう声をかけるが、その人物は止まってくれない。
やがて、やっとの思いで追いついて手を掴むと、相手が立ち止まった。
振り返ってこちらを見るその人物は、尾形さんだった。
彼は私を一瞥し、手を振り払うと再び歩き出した。

「まって……！置いて行かないで…！」

行くなら、私もつれてって。ひとりぼっちはもう嫌なの。
すると、尾形さんは立ち止まってくれた。そして私の方を振り返ると、こちらを冷たい目で見つめる。

「失せろ、目障りだ。俺に関わるな」
「……っ！！」

私は必死に追いかけるが、どんどん距離が離れていく。それでも諦めずに走り続ける。

「……ｯ尾形さん！！！」

私は叫びながら彼に向かって手を伸ばした。しかし、彼の姿は消えてしまった。私はその場に膝をつくと、声をあげて泣いた。
私は、尾形さんのことなんてなんとも思っていないはずなのに。どうしてこんなにも悲しいのかわからない。

「尾形さん……。私は、あなたにとってどんな存在でしたか？」

涙を拭いながら、そう問いかけてみる。しかし、答えてくれる人は誰もいない。

「私は、あなたのことを……。……。……」

私は、自分の気持ちがわからなかった。
ただひとつわかることは、彼がいなくなったことで私の心に大きな穴ができたということだけだった。

「……」

目が覚めると見慣れぬ天井が見えた。
ここはどこだろうと起き上がると、ズキリとした腹部の痛みに思わず顔をしかめる。

「痛……っ」
「目が覚めた？」

部屋の扉が開かれ、家永さんが入ってきた。

「家永さん……！無事だったんですね！あの、ここって……」
「ここは病院よ。貴女も撃たれたんでしょう？傷口はまだ塞がらないから無理しない方がいいわ」
「病、院………」

よく見ると、私の腕には点滴の針が刺さっていた。もしかすると、彼が治療してくれたのだろうか。

「家永さんが治療してくださったんですね…。ありがとうございます」
「いいえ、気にしなくて大丈夫よ。お礼なら貴方の血と肉を少しだけ分けてもらったからそれで十分よ」

そう言って彼は妖艶に微笑んだので、思わずゾクリとする。この人も相変わらずだ。