【金カム】地獄の果てで会いましょう 2【尾形】 (ページ34)

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バーニャ 2 ページ34

「うっ……！？」
「大丈夫かAッ！」

鯉登少尉のおかげでなんとか倒れずに済んだものの、体が燃えるように暑い。当たり前だ、私は他の人たちと違って着込んでいるんだから。しかも、ただでさえ気温が高いこのような場所で、その上服を着たままなんて、もはや拷問である。

「あ、ありがとうござ……」

ありがとうございます、鯉登少尉。
そう言おうとしたとき、いつもの癖で、つい彼の方を向いてしまった。褐色の肌に滴る玉のような汗、そして鍛え上げられた肉体美が目に飛び込んできて、思わず「ぎゃー！」と悲鳴を上げてしまう。

「近寄らないで！馬鹿！変態！」
「なッ……？！」

鯉登少尉は傷ついたような声を出す。しかし、今の私にとってはそんなことを気にしている余裕がなかった。ショックを受けている鯉登少尉を横に、谷垣さんが声をかけてきた。

「A、さすがにこの暑さでその格好は無理があるだろう。お前も脱いだほうが……」
「お、お断りしますッ」
「たがこのままでは死んでしまうぞ」
「そ、それは困りますけど……」

確かにこのままでは脱水症状を起こしかねないし、下手したら命の危険もある。私は意を決して服を脱ぐことにした。

「わ、わかりました……。その代わり絶対こっち見ないでくださいね？」
「ああ、わかっている。安心しろ」

そう言うと彼らは後ろを向いたようだった。私もそれを確認すると急いでシャツのボタンを外す。

「…………」

背後からは、ゴクリという音が聞こえてきた気がしたけれど、空耳だと思うことにしよう。
私は着ていたコートを一度脱ぐと、その下で軍服も一緒に脱いだ。そして、一度全て脱いでからコートを体の前に巻き付けるようにして羽織った。

これで多少はマシになったが、それでもまだ暑いものは暑い。早くここから出なければ本当に危ないかもしれない。
そう思った時、刺青の男が水を暖炉に熱せられた石にかけた。そのせいで、余計に蒸気が発生して室内が暑くなる。さらに、ヴェニクという白樺の葉を束ねたものを振り回し、鯉登少尉たちに当てていく。