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蜂蜜にあてられて。* ページ26

「ん。」


と声が聞こえた

漫画に落としていた視線を隣のAに向ける

Aはポッキーを咥えてこちらを見ていた


口角が少し上がってる

どこか楽しそうな表情

あー、咥えろって事だろーな


漫画を傍に置く

そしてAの方を向き、お望み通りに、ポッキーの先端を口に入れた



ポリポリとお互いに食べ進める

Aは減っていくポッキーを見つめているから、目を伏せがちにしていた

それによって長い睫毛が際立つ

緩やかなカーブを描いて伸び、黒く艶やかでどこか神秘さを持っていた

だんだんと近付いてくるそれに、俺の目は奪われたままだった



最後の数ミリを口に入れてしまえば、当然重なる俺らの唇

触れるだけのキスだった

けど、離れた後もずっと、生々しい熱が唇に乗っかっているように感じる


Aを見ると満足気な笑みを浮かべていた

やっぱり



「キスしたかっただけ、だろ?」

「正解。」

「わかりやす〜。」

「だって、悠仁、こうしないと、恥ずかしがって出来ないじゃん。」

「待って、それいつの話。」



確かに初めてキスした時は緊張しまくって、まともに出来なかったけども!



「あれから何回したと思ってんの!」

「わかんない。
でも、それぐらい、いっぱい?」

「だろ?
もう流石に慣れたって。」

「ふふ、そうだね。」



Aがお互いのおでことおでこをひっつける

俺らの距離は無いに等しいぐらいになった



「ねぇ、甘かった?」

「そりゃもう。」

「そっか、良かった。」



じっとりした熱い視線が自然と絡まる

どちらともなく唇を重ね合った

さっきよりも長い時間だった



体内の温度がじわりじわりと上がっていく

熱に浮かされた俺らの行き着く先はもうわかっていた




「ちなみにね。」


Aの滑らかな手が俺の頬に伸びてきた




「私、明日お休みなの。」




妖艶に笑うA

なんだよ、その顔

どんだけ俺を煽るん?


あ"ぁ"、もう





「…奇遇。」


Aの後頭部を支えてゆっくり押し倒す


「俺も休み。」




誘ったのはAな?

やめてって言っても、絶対やめてやんねーから

覚悟して









______


雄みの強い虎杖くんでした!
いやー、難しいね!
初キスの話はまた今度書こーかなって思ってまーす。
一応考えてるんですよ。
お楽しみに〜。

評価もお気に入りもありがとうございます!

ふーじ

救世主?→←1日の半分以上寝てマシタ。



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作者名:ふ。 | 作成日時:2021年2月13日 20時

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