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夜中の肉まんの美味さは桁違い。 ページ11

ようやく任務が終わって今は伊地知さんの車で帰ってるとこ
今回のは始まる時間が遅かったから、今時計は午前2時指していた

眠いのは当たり前なわけで
隣に座る伏黒や釘崎も目がシパシパしていて寝る寸前
助手席に座るAに至っては、もう寝てる

俺も寝てしまおうか、と思っていた矢先
ぐぅぅとお腹が鳴った


「わり、今の俺。」

「こっちまで、お腹空いてきたわ。」

「伊地知さん、コンビニ寄って!」

「わかりました。」


近くにあったコンビニに寄ってもらい、車から降りる
俺に続いて伏黒も釘崎も降りた

Aはどうする?、って話になったけど、結構熟睡しているみたいで
呼びかけても反応すらなかった
だから、待機組として伊地知さんと待ってもらう事になった


「伊地知さんはなんかいる?」

「いえ、私は結構です。
お気遣いありがとうございます。」

「おう!」


てなわけで、3人でコンビニへ
品出しをしたばかりっぽくて、商品達が棚に敷き詰められていた

そんな中俺の目を奪ったのは、肉まん
こんな夜更けに肉まんか…
背徳感は凄いけど、欲望には勝てなかったみたいで
気付けば俺の手元には肉まんが握られていた

他の2人も各々好きな物を買っていた
伏黒はサンドイッチ、釘崎はコンビニスイーツ

ありがとうございましたー、という店員さんの言葉に会釈をして、俺らは車に乗り込んだ

ガサガサと音を鳴らして紙の包装に入った肉まんを取り出す
包装を開けてご対面

滲み出る肉の香り
ホカホカなのを主張する湯気
それは食欲をこれでもかと掻き立てる

じゅるり、と横から聞こえた

…ん?横から?

隣に目をやると、2人の視線は俺の手元に集中していた


「…やんねーよ?」

「けち。」

「…。」


牽制したのに、2人はずっと肉まんを見続ける
隠しても穴が空くほど見てくる

はぁ、とため息を漏らして2人の方に肉まんを差し出した


「ひと口だけな!」

「良い奴だな、虎杖。」

「それな。」

「これで良い奴認定されるのは、なんか不服…。」


俺のすぐ隣に座る釘崎に肉まんを渡す
けれどなかなか食べようとしない
じっと見つめるだけ
しまいには返してきた


「ひと口目は譲ってやるわ。」

「…釘崎、お前。
肉にちゃんとありつこうとしてんな。」


じとりと見ると、ふんっと顔を背けた
図星か…

お望み通り、ぱくっと食いつく
俺はひと口がでかいから肉まで届いた

うわ、うまっ

・→←彼女からの。



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作者名:ふ。 | 作成日時:2021年2月13日 20時

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