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体調を崩したら アガレス編 ページ9

アガレス恋人設定。アガレスのセリフ「」

no anyone side

風邪で欠席したA。
午後には熱も引き、明日は通学できそうだ。
普段なら帰宅時間。体慣らしに飲み物でも買いに行こうと玄関を開けたると正にチャイムを押したアガレスがいた。


「・・・何してんの?」
『ぴっピケロこそ』
「はー?見舞だよ

・・・じゃなくてなんで起きてんのって聞いたの」
『熱下がったから飲み物買いに行こうと。仮病じゃないよ!』
「疑ってないよ。もう平気って動き出すヤツが1番厄介なの。どうせ親にも黙って出たでしょ。はい戻るよ」

少しプリプリ怒ったししょーに連行される。

「おばさん、A逃げてるよ」
もう公認のため堂々と家に上がり親にチクるアガレス。Aの母はアガレスの見舞いを歓迎し、娘の行動を注意した。

Aは明らかに拗ねている。

「ハア、んー、どうしても出たいなら」

Aがパッと顔をあげる。

「庭」
『庭・・・』

不満だが庭に出て適当な石に座る。

出かける目的だった飲み物は5種も買ってきてくれていたが、体調不良向きのものでは無い。


『・・・私の好きなのばっか』
「元気ない時はその方がいいんだよ」
『ふふ、ありがとう』

アガレスらしい優しさに笑みが溢れる。

「Aは睡眠が足りない」
『そんなことないです』

そこは彼の基準に則ることはできない。

「本当の眠りをとっていれば、ほぼ風邪はひかない」
『それは深い話、かな?』
「説明しにくいな」

アガレスが地面に手をあてるとみるみる何かが組み上がり卵型の空間に2人包み込まれた。
明け方の様な、日没直後の様な優しい暗さで、音もない。

『修行の成果、すごいね



ここ、そのベッドの上、だっけ』

「2人っきりの時に言わないでよ」

アガレスが顔を逸らす。


ししょーが平たく広くなり、アガレスが手を差し延べた。

「ん」
『いいの?』

握り返すとグイッと引き上げられた。
小柄な体に不似合いな力強さにドキっとしてしまう。

「じゃ、寝るよ」

アガレスが寝転がると繋いだ手を引かれて同じ様に倒れ、目前にある綺麗な顔に鼓動が早まる。

『えっあの』
「しー」

アガレスは自身の唇の前で人差し指を立て静寂を促す。

「ドキドキしてるなら、俺もだから


でも今はゆっくり息して、目、閉じて」

頭を撫でながら囁かれ、心地よい睡魔に包まれたAは意識を手放す。

「早く治って」

繋いだ手に優しくキスされたことをAは知らないまま眠った。

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作者名:ジア | 作成日時:2022年6月30日 18時

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