屈強な金獅子と虚弱な姉獅子7 ページ36
サ「ぬっ！？」
サブノックが驚く。
『あら！？』
Aも驚く。
少しの静寂
後、フルスピードで会話が転がりだす。
サ「何故ヌシが驚く？言うのもなんだかギリギリまでOKしそうな顔だったろう！」
『私、心より口の方が冷静みたい』
サ「便利だな」
『そう、そうよ、すぐには無理だわ』
サ「なら待とう。余裕も魔王には必要だ」
『えっ、待つの？』
サ「無論だ。なぜ無理だ。改善する」
『会ったばかりですもの、知らな過ぎるわ』
サ「なんでも聞け、よし解決だ」
『色々聞いてから解決するの！反対になぜ私なのかも分からないわ』
サ「ヌシがカッコいいからだ」
『・・・』
サ「己は・・・隣に居て己がカッコよくなれる様な女史を探していた様だ
だが、見つけたのは守られるだけの姫ではなかった
ヌシが困れば力を貸そう
輝くヌシを護ることができる己になってこそ
真にカッコいいと思ったまでだ
ヌシは頼りない虚弱な獅子などではない
努力家で負けん気強い、仔猫の皮を被った金獅子よ
まあ要は惚れたのだ
誰かに取られる前に手を握りたかった」
Aは褒められたことがない訳ではない。
魔術を評価されることは努力を認められたことだと喜ばしかった。
ただ、努力自体を見つけ、更に輝きと称してくれた
このことが心の中を乱反射して満たしていく。
『素敵な口説き文句だわ』
眼尻を濡らし微笑んだ。
サ「正直に言った。満足いったか？」
『でも無理』
サ「だから何故だ！」
『魔王様の妻なんて！荷が重い！』
サ「・・・では尚のこと今から己の隣に慣れておく方が良い」
『な、なるほど？ううん！もっと普通がいいの！』
サ「それは難しい要望だな、では普通でないことの魅力を見せていく他あるまい」
『前向きね』
サ「ヌシ程ではない」
ずっと握られて忘れていた手が
再度ぎゅっと握り直される。
サ「2頭の金獅子が共に居れば、乗り越えられぬものは無い
己はAを振り向かせてみせる
色々な世界を共に見たいと本当に思っている」
《本当に･･･ずるいわ》
いつの間にか名前で呼ばれることにも苦笑いしながら、この強引さにいつまで耐えられるか心配なAだった。
☆プチスキ魔☆
サ「ちなみにまずはウォーキングにした方が良い」
『それもそうね！そういう事をまずは話して欲しいの！』
スキ魔へ続く
スキ魔 屈強な金獅子と虚弱な姉獅子 完→←屈強な金獅子と虚弱な姉獅子6
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作者名：ジア | 作成日時：2022年6月30日 18時
