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体調を崩したら カルエゴ編4 完 ページ29

『お腹いっぱい』

水と同じで口に入れて空腹は感じたが
食べきれず満腹になったようだ。

「そうか、吐き気はないか」
『はい、体力が戻るのを実感したのは初めてです』
「フッ、貴重な体験だな。話していいぞ」
『あの、ありがとうございます』
「脳も落ち着いて来たみたいだな」
『今、あーん、してくれましたね』

「前言撤回だ・・・

フン、そうだな。
なんだ?今さら恥ずかしくなってきたか?」

『う、先生からしてくれるのはずるい』
「して欲しそうだったからな」
『気づいてたの!?』

陰湿な笑みに悔しさとドキドキが混じるA。

少しずつ落ち着く体と共に
脳も落ち着きゆくのを必死で抵抗する。

正気に戻れば恥ずかしくて消えたくなる。
毛布を足にかけたまま体育座りをして膝に顔を埋めた。

『消えたい』

カルエゴが指先でAの頬を撫でる。

少しだけAが目線を上げると陰湿な笑顔はより楽しげになっていた。

「消えても逃がさんぞ」

《ぅ、カッコいい》

「散々振り回してくれたんだ

そう簡単には逃がさん」

『・・・振り回されて
子供過ぎて嫌になりました?』

カルエゴはおよそ普段のAが戻ってきたと感じた。

「なんだ、やはりもう落ち着いたのか?

つまらんな」

『え?』


「何の心配をしているか知らんが

・・・私には全て見せろ」


『ひぇ、お、大人の意味ですか』

「フッ、「全て」を身体的なことと捉える内はまだお子様だな


まあそちらもゆくゆくは見せてもらうが」

Aの顔が火を噴く。


「・・・肩肘を張らずに頼れ

電話では、いや、一日中本当に心配した


甘えるAを見て確かに悩んだが
そうさせてやれない自分でありたくない

分かったな?」


『カルエゴ先生・・・じゃあ甘えても、いいの?』

「但し元気にはなることだ」

『なります』

「いい子だ」

『それ』
「?」

『いい子だって言われると



ドキドキするしホッとします』

「そうか」


カルエゴがAを優しく撫でる。


「今日は1日1人でよく頑張った

でも分かってるな?」

Aはベッドの上でカルエゴに近づく様にずれる。


『これからはちゃんと大人を頼ります』

「大人?

それでは及第点だ」

『・・・カルエゴ先生に連絡します』

「いい子だ」



カルエゴはまなじりにそっとキスし

そのまま耳元へ唇をよせ囁く。



「元気になったら苦くないのをしてやろう」



『〜っっ///振り回した仕返しですか』

「ハッかもな」


屈強な金獅子と虚弱な姉獅子→←体調を崩したら カルエゴ編3



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作者名:ジア | 作成日時:2022年6月30日 18時

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