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体調を崩したら プルソン編2 完 ページ18

『座ったら姿見せていいよ』


椅子を見ているが一向に現れない。


『ソイ?


わっ』


後ろから肩を叩かれる。
振り向くと顔だけ消えたプルソンの姿。


『どういう状況?

わぁ、服、お家だとそんな風なんだ』


見慣れない和風袴の様な服に見惚れていると全身消えてしまう。


『あっ、しまった』


また後ろからクスクスと笑い声が聞こえ、振り向くと椅子に座ったプルソンが。


『やっと会えた、なんで顔隠したの』
「どんな顔したらいいのさ、彼女のパジャマ姿」


「彼女」「パジャマ」の単語にAも赤面する。
それを見たプルソンがまた顔だけ消す。


『ずるいっ!』


手探りで頭をわしゃわしゃと撫でる。


「ごめんごめん。かわいい顔するから。元気だけどやっぱ肩も手もいつもより熱いよ。

ほら、ベッドには入って?」


姿を現すと撫でていた腕を掴まれベッドへ誘導される。


《能力だとしても急に出てくるとドキっとしちゃう
服も見慣れなくて

やっぱすごい家柄の次期当主なんだなぁ》


「着替えると外出バレるからそのまま来たけど、変?」


ベッドに上体だけ起こして入ると、消えても場所がわかる様に手だけは握る。



『ごめん見過ぎちゃって

凄くカッコいい、から』


スゥッ


『消えるなっ!』


手をぎゅっと握って見つめる。
プルソンも止まる。


『私も顔真っ赤、でしょ?

だからソイのその顔も、見たいよ』


プルソンが唇をぎゅっと噛み締めて消えるのを耐えている。


「あのさあ」


キュル・・


「かわいい表情でかわいいこと言って手とかぎゅっと握ってパジャマでなに、僕何か試されてるの?」

『試してないよ、かわいい連呼しないで!』


静寂の中、手を繋いだまま顔を真っ赤にして汗ばんで見つめ合う2人。


「ふっ」
『あははっ』


照れがK点を超えて笑いに変わる。

2人ともハッとして息を殺して笑うと余計におかしい。

『ねえ、入ってきた時私目が合った気がしたけど違った?』
「ホント?合ってたよ。玄関開けたら人影あって、しまったと思ったら、オモチャ見つけた子供みたいな顔の人いたから、笑い堪えるのヤバかった、くふっ」
『部屋入る時も、ふはっ』
「こっちは靴持ったりあるのにさ、僕が、入る瞬間一緒に入ってくるから、んぐっ」

また2人身を寄せ合い笑う。


退屈な筈の休日がこんなに楽しくなるなんて。

『ソイ

来てくれてありがとう』

「ん」

微笑み額を重ね2人で気持ちを分かち合う。

週明けにはAは元気に通学した。

魔開師団の諸事情II アリス編→←体調を崩したら プルソン編



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作者名:ジア | 作成日時:2022年6月30日 18時

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