はしゃいだバカが1番偉い。連載短編集 season13

魔開師団の諸事情Ⅻ 迷わす大人たち2 ページ30

フ「奥手が原因ジャナイ…

ていうか

キスもまだなら2人の時何してるノ？」



『…え？ジャズ君のマジック(手癖の悪さ)見たり』





フ「何その平和な部屋」






・・・



フ「ダーッ！ハッハッハ！これはジャズフラレちゃうネ！退屈ヨ」


『そっ！そんなことないです！楽しいです！』


フ「じゃなんでそんな不安そうカ？
ずっとこの男こんなつまらんのかって思ったんデショ？」


『違いますってば！…そっ、その大人は、キ…ス、て』


フ(お、本音？)


フ「ん？大人なチューに興味？」


『じゃなくて！キスなんて…挨拶、みたいなモノ…ですか？』













フ「誰にされたノ？」








『え？ちが…』




《あ・・・違わない》




フ(コレはなんかあったネ〜♡)

-



アロケルがプルソンと歩いていると遠くに赤い体躯が見えた。



アロケル「！？
スマン！先に行ク！」


プルソン「え？」



慌てて逃げようとすると、一緒にいる問題児の恩人の姿。


プ「あ、あの子アンドロ君の…」


ア「くそッ」


プ「あれ、逃げると思ったら向かうの？」




アロケルは猛ダッシュして2人の元へ向かった。



ア(Aだけ連れテ立ち止まらず校舎へ！職員室の方へ逃げればヤツは面倒くさがって来ないだロ)




フ「固まっちゃった
Aちゃんファーストキスまだ？」



こくんと頷いた。



フ「なぁんだ、じゃ
思い当たるフシがあるみたいだけど
ノーカウントでいいんじゃナイ？

ジャズみたいなどうて…


ピュアな子って内容が重要デショ」



Aが目に期待を込めてパッとフルフルの方へ一歩踏み出すと勢い余ってバランスを崩し後方へ倒れ出した。



『ぁっ』



フ「ダーイジョーブ？」



フルフルがクスクス笑いながら腰に腕を回して支えた。



太い腕と胸板に挟まれてホールド感がすごい。

逞しさに触れた気がして頬に紅を差して体を熱くするA。



ア(何してル！？)



アロケルはまだ距離がある。




『ごっごめんなさい！』




フ「ん？なんかついてるネ
ちょっと待って…」




Aの前髪についた何かが目に付き
ガラにもなく取ってやろうと空いた手を伸ばした。




《ひゃ〜なんか緊張しちゃう！》



思わずギュゥっと目を瞑った。



"どうやら弟子とキスについて悩んでいるらしい少女"の前髪から無事、異物を取り除いたフルフルはその少女を解放しようと




フ「・・・」



今の今までは思っていた。

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