Lupinus【呪術廻戦】

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※恵がメインです。









仲の良い友人と燥いだり、
放課後の部活に頑張る学生の声。

学校特有の若い空気感と
小さな呪いが混ざり合う独特の感覚。

13歳から15歳。
思春期真っただ中の不安定な少年少女たちがこれ程集まる空間に、
呪いが生まれない訳がない。

学校というのはどうも苦手だが、
今回ばかりは少し胸を高鳴らせ、不謹慎な好奇心を感じながら
たまたま通りかかった学生に声をかけた。






『あ、すいません。職員室ってどこですか？』


「えっ……」








『？』


「ぅ、…あっ、こ、こっちです。」








前を案内してくれる2人組の男の子は何やらコソコソと話をしている。

変な人と思われてしまっただろうか。
急だったので仕事着のまま来てしまったのがいけなかった。
確かに学校には全身黒の服装は相応しくない。







親切にわざわざ連れてきてくれた2人にお礼を言い、
職員室のドアを開ける。

机と椅子に埋まった部屋の少し奥にあるソファに目をやると
目的の人物がいつにも増して不機嫌な仏頂面で座っている。

近づいていくと私が来たことに驚いたのか
目を見開いて立ち上がった。









『遅くなりました。すみません。』

「何で来たんだよ！？」




『何でって…呼ばれたから、』

「……っ」








バッと隣にいた担任の先生を睨みつける恵。
あまりの形相に目を逸らして冷や汗を流す先生。

可哀想に。
なんて厄介な生徒を受け持ったことか。









「……お母様ですか？…随分お若いようですけど、」









少し高く、棘のある口調の声が聞こえ、
机を挟んで対面側のソファに座っている生徒と母親らしき2人に視線を向けた。

子どもの方はえらく顔が腫れ上がり、
口元には血が滲んでいる。









『いえ。血は繋がってませんが、幼い頃から面倒を見ています。香月Aと申します。』


「自己紹介より、まずは謝罪からではありませんか？」







『…。』

「お、お母様…」








「うちの子を見れば分かるでしょう？はあ…一体どう育てればそんなに野蛮な子どもになるのかしら。」









恵が中学に進学して２カ月。
さっそく３年の上級生を暴行したと学校から連絡がきた。

相手の親はすでに待っていると聞き、
仕事に向かっていた車を急いで引き返してもらった。

教えてもいないのに喧嘩が強いのも、
口より先に手が出てしまうのも、
やはりあの人の血を引いているからだろうか…

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