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やけに香りが強いとは思っていたが
此処に来たときは気が付かなかったAさんの怪我。
出血が多く、眠ってしまった彼女を抱き上げ
冷たくなった体を温めるように腕に力を込める。
あいつらの説明だけではこの状況が理解できない。
「香月様は直毘人様の命で呪霊を封印しただけです。倒れている術師は呪霊と戦う彼女の術式に耐えられなかったのです。故意に危害を加えたわけではありません。」
「…………この怪我は？」
「封印した呪霊を奪おうとした術師が私に式神を放ったところを、香月様が庇ってくださいました。きっと私が居たせいで術式が使えなかったのでしょう。…私の責です。申し訳ありません。」
「……。」
Aさんが望んで引き受けた禪院直毘人との縛りとはいえ、
下らない茶番に巻き込んでくれた老いぼれに殺意が湧く。
元は高専が請け負った任務。
それを強引に封印すれば
高専の術師と揉めることくらい容易に想像できる。
こんな怪我までさせられて、
日頃の恨みも加わって余計に腹が立った。
「悟様。そんな女に触れてはなりません。」
「当然の報いだ。」
「下賤な女の分際で出しゃばるからこうな…―」
「黙れ。」
「…ｯ」
「ひ…」
「…君だね。僕のものに傷を付けたのは。」
「…ひ、…あ"ぁ"ｯ」
術式を使い、式神使いの右手を潰す。
怒りに任せて、殺してしまわないように。
「悟様！？」
「何を…っ」
「彼女に手を出すのも、そんな口を利くのも許さない。よく覚えておくといいよ。この人は、僕の大事な人だから。」
「っ、」
「君もだ。…あのジジイに伝えろ。もしまたこんな目に合わせたら、立派な家ごとお前を潰す。縛りなんかどうでもいい。」
「…、は、い」
何も話さず、動かなくなった術師たちと禪院家の女を置いて
補助監督が運転する車に乗り込む。
そっとAさんを膝に乗せ、
久しぶりの強い匂いに酔いそうになる自分を抑える。
傷を押さえる右手はもう血でベッタリ。
前に最近貧血気味だと言っていたのに、
こんなに血を流して大丈夫なのだろうか。
硝子に連絡を入れ、しばらく車を走らせると
微かに寝息が聞こえて一安心する。
……。
呪霊置いてきちゃったけど、
………まあ、何とかなるか。
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sou(プロフ) - 縞さんの呪術の作品全て拝見しました！！チューベローズの作品とても好きだったのでこちらもにまにましながら読みました！完結お疲れ様です♡♡ (2022年2月16日 9時) (
レス) @page27 id: 26a665cc7a (このIDを非表示/違反報告)
もぐ - 主様の作品の大ファンです。原作に忠実な登場人物たちや丁寧で綺麗な文章が本当に大好きです。もう書くことを辞めてしまったと存じますが自己満足でコメントさせていただきました。これからもずっと大事に読ませていただきます。素敵な作品に出会わせてくれてありがとう (2022年2月3日 4時) (レス) id: 21668848fc (このIDを非表示/違反報告)
セキララ - 私も恵とパパ黒好きなんです！(強さに惹かれた。もちろん顔も)周りの子はほとんど狗巻派なので少し悲しい。やっぱり1番は五条悟ですねw (2020年12月14日 20時) (レス) id: b7451699de (このIDを非表示/違反報告)
縞(プロフ) - セキララさん» 最初に好きになったのは五条先生ですが今は夏油や伏黒パパも同じくらい好きです。 (2020年12月14日 15時) (レス) id: c197e34fed (このIDを非表示/違反報告)
セキララ - 最近読み始めて止まらなくなり、すぐ読んでしまいました…続きを楽しみにしています！五条悟好きですか？ (2020年12月14日 6時) (レス) id: b7451699de (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：縞 | 作成日時：2020年10月19日 3時
