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「やっほーAさん。遊びに来たよ……って、なんかあった?」
『…………。』
恵が入学早々上級生をボコボコにした件から数日。
仕事や学校でタイミングが悪く
恵とはあれ以来会っていない。
しかし
別れ際に言われたあの言葉が鮮烈に頭に残り、
何度も反芻しては苦しめられる日々が続いていた。
うっすらと前兆は感じていたが、
気が付かないふりをしていた。
だがこの一件で
ついに気を遣ってくれていた恵も
堪え切れなくなったのだ。
間違いない。
反抗期だ。
しかもかなり激しいタイプのよう。
会話はおろか
顔さえ碌に見てはくれない。
言い方は悪いが、
場数を踏んできたこともあり、
男の扱いは下手ではない。
しかもそんなに歳は離れているわけではないのだ。
数年前までは私だって高校生だったのだから。
『……もう………要らないのかぁ…』
― Aはもう、…居なくていい ―
この一言の重みが想像を絶するほど辛い。
世の親たちよ、
どうやってこれを耐えればいいのか。
私には受けとめ切れそうにない。
「ねえ。遊びに来たってば。…聞こえてる?この超多忙の僕が会いに来たんだよ?」
『……、ああ。悟。』
「え。それだけ?ハグは?キスは?」
肩に触れる感触に振り返ると
サングラスに私服姿の悟が真後ろに立っている。
休みの日にわざわざ来てくれたのか。
『……ねえ。反抗期ってあった?』
「ん?」
『イライラとげとげしてた時期。』
「うーん。どうだろうね。高専入るまでは周りは僕の機嫌取るのに必死そうだったし。まあ逆に居心地悪くて鬱陶しかったけど。」
『………。過保護はだめなのか…』
「一番尖ってたのはやっぱ高校かなぁ。いや、でもAさんに出会ってからはそんなに…」
『まって…反抗期って高校まであるの?』
「え?……あ。もしかして恵?」
『……。』
「いやいや。恵のあれは反抗期じゃないでしょ。」
『まだ反抗期じゃないの?……あれが?』
「っていうか、何言われたかは知らないけど、あいつがAさんを鬱陶しがるなんて有り得ないでしょ。未だに僕に懐かないし」
『…でも―』
「もー大丈夫大丈夫。僕が慰めてあげるから元気出して?ね?」
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sou(プロフ) - 縞さんの呪術の作品全て拝見しました!!チューベローズの作品とても好きだったのでこちらもにまにましながら読みました!完結お疲れ様です♡♡ (2022年2月16日 9時) (レス) @page27 id: 26a665cc7a (このIDを非表示/違反報告)
もぐ - 主様の作品の大ファンです。原作に忠実な登場人物たちや丁寧で綺麗な文章が本当に大好きです。もう書くことを辞めてしまったと存じますが自己満足でコメントさせていただきました。これからもずっと大事に読ませていただきます。素敵な作品に出会わせてくれてありがとう (2022年2月3日 4時) (レス) id: 21668848fc (このIDを非表示/違反報告)
セキララ - 私も恵とパパ黒好きなんです!(強さに惹かれた。もちろん顔も)周りの子はほとんど狗巻派なので少し悲しい。やっぱり1番は五条悟ですねw (2020年12月14日 20時) (レス) id: b7451699de (このIDを非表示/違反報告)
縞(プロフ) - セキララさん» 最初に好きになったのは五条先生ですが今は夏油や伏黒パパも同じくらい好きです。 (2020年12月14日 15時) (レス) id: c197e34fed (このIDを非表示/違反報告)
セキララ - 最近読み始めて止まらなくなり、すぐ読んでしまいました…続きを楽しみにしています!五条悟好きですか? (2020年12月14日 6時) (レス) id: b7451699de (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:縞 | 作成日時:2020年10月19日 3時