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「あの子、あの格好じゃかえって目立つのに」
「ヅラなら上手く逃げられるでしょう!」
それもそうだね、と言うとピッと目の前に口紅を差し出された。
「これも、プレゼントです」
「えっ……こんなに高そうなのを、いいの?」
「そりゃあもちろん!Aさんの物です!」
「じゃあ……ありがとう」
受け取ろうと手を伸ばすと、ヒョイっと避けられてしまった。
思わず声が漏れたけど、辰馬くんはニッコリ笑ってベッドの淵に腰かけた。
「わしが塗っても、いいですか?」
「い、いいけど……」
辰馬くんは私の顎を軽く持って、軽くスイスイッと塗ってくれた。
こんなこと松陽にしかされたことなかったなあ、と今更自分の男性経験の無さにため息が出そうだ。
「終わりです!うむ……思ったよりずっと綺麗に塗れました!あ、じゃあこれをどうぞ」
口紅を渡され、辰馬くんは満足気にうんうんと頷いている。
満足してくれたならいいけれど口紅を塗ってもらうのがこんなに恥ずかしいとは。
「…………アイツらが言うのも分かるのう」
「え?」
何か言った気がしたけれど、なんでもなかったようだ。
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カス鮫作戦たいちょー(プロフ) - るいさん» 放置していてすみませんでした!これからまたたくさん書いていこうと思います! (2017年7月27日 16時) (レス) id: 7a4f1f1690 (このIDを非表示/違反報告)
るい - 続きが気になります。。。 (2017年7月26日 19時) (レス) id: af982d2a03 (このIDを非表示/違反報告)
カス鮫作戦たいちょー(プロフ) - Riptoon./ @雪村ヒロトさん» これからはたくさん更新していく予定です!楽しみにしてくださってありがとうございます! (2017年3月11日 10時) (レス) id: 89fa406ed5 (このIDを非表示/違反報告)
Riptoon./ @雪村ヒロト(プロフ) - 続き気になります!!!この作品大好きです!更新待ってます! (2017年2月11日 21時) (レス) id: 5d2ebc4a3d (このIDを非表示/違反報告)
カス鮫作戦たいちょー(プロフ) - 晴鼠さん» 先生も虚もいいですよね!頑張ります! (2017年1月17日 16時) (レス) id: 89fa406ed5 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:カス鮫作戦たいちょー | 作成日時:2017年1月1日 13時