【風・雲雀】philemaphobia4【ディーノ】 (ページ1)

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酒癖ページ1

『酒癖悪くなんかないわよ…(むすぅ』

雲「どこをどうとったらそうなるのかな、酔っ払ってずっと僕と赤い拳法服の人にひっついてて旦那に説教された上に、話聞かずに寝てたでしょ？」

『うっ…そ、そういう時もあるのよ！うんっ』

雲「パーティーとかどうしてるの？」

『1杯ぐらいしか飲まないようにしてる…それ以上飲んだらリオネルが…あっ…』

彼女はハッと口元を押さえた。そう彼は死んだ…敵の襲撃にあってAを庇って死んだ。彼は最後の最後まで彼女の世話係として生きた。

さっきまで笑顔で話していた彼女も相当辛いものがあるらしくて少し黙り込んだ。

雲「おいで…(ぎゅっ」

『…っ』

放っておいたら壊れてしまう、そんな気がしてそっと抱きしめた。どうしても彼女だけは守りたいから…そう10年前から約束しているから。

『ごめん…なさい…』

雲「大丈夫だよ(なでなで」

小さな体は嗚咽を零して小さく震えた。

雲「多くの人が…死にすぎたね。並盛の風紀もだいぶ乱れた。だから１０年前の僕達が必要になった。…大丈夫、キミは僕がちゃんと守るし１０年前にはリングもあるしね(なでなで」

『うん…そうだよね、リングを持ってくる１０年前の私たちを信じなきゃダメだよね…』

雲「…うん」

僕は強いからね、全然平気だけど、彼女はずっとずっと弱いから。そう、あの人が思ってるよりもずっとずっと弱い…あの人はAのこと兄だから知ってても彼女が悲しみを貯めてることを知ってても

あの人の前で溜めて溜めて壊れてしまうまできっとあの人に打ち明けることはしないんだろう。ねぇ、知らないでしょ。彼女がこうやって僕の腕の中で泣くことも…あなたに打ち明けない理由も

もしかして知ってても知らないふりでもしてるのかな。こんなことで少しだけ優越感を感じてしまうなんて変だよね…もうキミは彼の元にいるっていうのに。

君の言うとおり彼から君を奪うことなんてできるはずがないのにこれだけで嬉しいなんて…

涙の流れる頬にそっとキスを落としてから涙を指で拭う。

雲「守ってあげるから…泣かないで(ぎゅっ」

彼の腕の中では泣けないんでしょう？だったら僕が貸してあげる。伝えきれなかった気持ちも全部全部押さえ込んでも君の笑顔を守ってあげる…だから泣かないで。

彼の代わりが虚しいなんて言ったりしないから、だから…キミは君のままでいて欲しい。

そう願うんだ…愛してるから…