無痛症系美少女の恋心*心が痛いと感じたの* (ページ34)

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朝。ページ34

「A、起きろ」

あれからすぐに眠ったけど朝はやっぱり眠い。いろいろな事が起こっているというのに眠れる自分を疑問に思ったけど生きるために睡眠は欠かせないものとして割り切っていた。

「朝ごはんは？」

「いらない。」

そうか、と残念そうに呟いたパパの視線はテーブルに注がれている。テーブルの上を見ると綺麗に焼けている目玉焼きと黒こげな目玉焼きが一つずつ。
いつもAが座る場所には綺麗な方の目玉焼きがあった。

「まあ舌の傷が悪化すると危ないしな、水くらいは飲んでった方がいいぞ」

「やっぱ食べる。」

途端、表情が明るくなるパパにクスリと笑ってしまう。例え味が分かんなくたって、舌の傷の痛みを感じるAであったとしても絶対コレは食べなきゃいけないと思うから。

「やっぱ火加減の問題だったんだよな。蓋を閉めてからの時間もちゃんと計ってだな・・・」

嬉しそうに卵焼きの成果を話すパパを見てるとAも嬉しいの。でもね、今度は両方綺麗に焼ける日が来るといいな。一発で。

「今日会社の帰りに卵買ってくるから」

「・・・なんで卵ばっかなの？」

疑問を残したまま学校に行く準備を始める。