未練、想い【五条悟】

・ ページ41

･




『お風呂ありがとう。』

「髪、乾かしてあげるからここに座って。」




自分でできると断ったが、「甘えといてよ。」と言われてお願いする。




「…伸びたね。」

『最近美容院行けてないから。』




ﾌﾞｫｫﾝとドライヤーの音が響く。




「…ん、乾いたよ。」

『ありがとう。』

「僕もシャワー浴びてくる。ベッドで寝てて。
あ、ちゃんとシーツ替えたから。」




…すごく疲れた。体が鉛のように重い。

言葉に甘えて、綺麗に整ったベッドに横になる。


五条のにおいがする。

今日は一段とかっこよかったな、と考えたら思わず笑っちゃう。






･






「A寝た？」

『…あ、ううん起きてるよ。どうしたの？』

「寝てたよね、起こしてごめん。」




いつの間にかお風呂から上がったらしい五条が濡れた髪を拭きながらこちらへ来る。

…直視できない。




「…抱きしめてもいい？」

『…なんで？』

「あんな血を吐くA初めて見た。生きた心地がしないから。」




また、強く抱きしめられた。




「…明日仕事休もうかな。」

『だめ、一緒に行こう。』

「Aは休みでしょ。」

『一緒に行って私は寮に帰るから。』




五条の体を離すと「ごめん、」とまた謝られる。




「ソファーで寝てるから何かあったら起こして。」

『ダメだよ、私がソファーで寝るから。』

「おやすみA。」



ベッドに寝かすように倒されて、布団をかけられる。


五条に感謝しながら眠りについた。




･

・→←・怪我

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す