07 特別メニュー ページ8
「何だ?顔色悪ィぞ。ちゃんと休めてんのか」
その言葉に答えようと口を開くより先に、「土方さんそれはアンタのせいでさァ」という沖田さんの声が。…まあ、それも一理あるけど。
「何だと?どーゆー意味だコルァ」
「やっぱりダメでさァ。俺何か今日食う気が…ーーあっちょっマジか」
「何?食欲不振ってヤツか。とりあえずマヨネーズかけとけ。コレやるよ」
嫌がらせなのか本気で彼を気遣ってなのか、土方さんは沖田さんの生姜焼き定食にマヨネーズをぶちまけだした。ポーカーフェイスな沖田さんが一瞬本気で取り乱しているのを見て少し面白かったが、果たして彼は本当に全て食べられるのだろうか。
…なんて思いながら周りの席の片付けをしていると、突然沖田さんが挙手した。
「すいやせーんコレ異物混入してたみてェで…。直ぐ新しいのと取り替えてくれやせんか」
異物混入など、食品を扱う場では言語道断。
「も、申し訳ございません!直ぐに取り替えますッ!」
慌てて彼らの席へと急ぐと何やら土方さんが沖田さんを叱っていて、丁度その場面で現れた私も、「オメーも真に受けるな!」と何故か土方さんから叱られた。
・
「ありがとうございました〜」
お客さんも二人以外居なかったのでお見送りをしていると突然、
「オイ」
と言う低い声が。
「は、はい!」
もしや何か不具合でも合ったのか、と身構えていると、「今度俺が来た時はちゃんと新品のマヨ持ってこい。マヨネーズあんま入って無かったぞ」と言われたものだから思わず拍子抜けしてしまった。
「えっ…」
「じゃーな」
そう言って立ち去ろうとする土方さんを「待ってください!」慌てて呼び止める。
「…あの、土方さん」
「あ?」
「マヨネーズ丼…土方さんの専用メニューにしますね。それから…ちゃんとマヨネーズは新しくて大容量にしますから」
そう言うと土方さんは「バーカマヨネーズ丼じゃねェ。土方スペシャルだ。それくらい覚えとけよ」と小さく笑った。
「はい!ありがとうございます!」
そう言って今度こそ立ち去る土方さんの後ろ姿に改めて頭を下げると、私の隣に立っていた沖田さんは、
「ベタじゃない?何かの少女漫画のセリフでさァ。ちなみにあの野郎が今度来た時それに思いっきりタバスコぶっかけてくだせェ」
なんて言いながら土方さんの後を追って行ってしまった。
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ソラ - ぽちゃさん» ぽちゃ様、はじめまして!コメントありがとうございます!そう言って貰えてとても嬉しいです。これからもぽちゃ様に楽しんでいただけるよう、頑張って作成していきたいと思いますので、これからもよろしくお願いします! (2021年7月11日 0時) (レス) id: 7df1aede10 (このIDを非表示/違反報告)
ぽちゃ - はじめまして!とても楽しく読ませていただいてます!もう好みの小説すぎてやばいです!笑笑これからも応援してます! (2021年6月29日 13時) (レス) id: fffe7db0be (このIDを非表示/違反報告)
ソラ - あう!さん» コメントありがとうございます!なかなか更新が出来ず申し訳ないです汗 必ず完結させたいと思ってますので、これからもよろしくお願いします! (2021年6月25日 1時) (レス) id: 7df1aede10 (このIDを非表示/違反報告)
あう! - ぜったい完結して欲しい楽しみにしてます (2021年6月12日 13時) (レス) id: 158b42c9c3 (このIDを非表示/違反報告)
ソラ - 由岐さん» コメントありがとうございます!一気読みって…!凄く嬉しいですありがとうございます!更新が遅れてしまい、申し訳ありません! (2021年3月4日 3時) (レス) id: bc2235ffe1 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ソラ | 作成日時:2020年12月31日 16時