悲しい再会 ページ8
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『良いよ。頼んどいてやるよ。またこっちからお前のところに送る。あ、良いこと教えてやるよ。今、お前の最愛の妹がお前のところに向かってるぜ。』
「なに……!?」
『だが、もしも会っても、忘れているフリをしろ。そっちの方がおもしろいからな。』
「…………クソッ」
『あれ〜、返事は?』
「……わかった。」
『俺はお前をずっと見ている。それを忘れるな。』
俺は電話を切った。
俺は、ヒロ。殺された仲間の残した鈴を身に付けている。
黒のフードを被り、今日もお前を、
見逃さない。
〜Aside〜
よくわからないけど、どこかの建物の前に着いた。
どこだろう……?
すると、見慣れた髪の毛、包帯、身長の男がいた。
間違えるわけない……ずっと探していた後ろ姿。
「お兄ちゃん……!!」
その男は、一瞬立ち止まり、また歩き出した。
私は追いかけて手を掴む。
「どうして!!なぜ逃げるの!?Aだよ!貴方の!妹!!」
「……人違いじゃないかい?私に妹なんていない。」
どうして……また私を……突き放すの?
「君は誰だい?」
あんなことをしておきながら、私を忘れたの……!?
「今回も、なにか事情があったんだよね!?私を忘れるわけないよね!?ずっとお兄ちゃんを探して……」
「私は君の兄じゃない!!」
いきなりの叫びに、私は驚きを隠せなかった。
「あんなことを…したのに……忘れたの?」
「……違う。私は兄じゃない。」
だったらどうして、そんな悲しく笑っているのよ……。なぜ声が震えているのよ……。
私は、写真を見せた。
「この写真!!覚えているでしょ!?今も持っているでしょ!?」
「……写真なんて、私は捨てた。これ以上、私に近付かないでくれ。迷惑だ。」
そう言って、お兄ちゃんは私の手を振り払い、歩いていった。
私は、追いかける事も出来ず、その場に立ち尽くしていた。
「お兄ちゃん……」
届かない声は人混みに消え、私の頬を、涙が伝った。
明日は私の誕生日。
いつもなら、お兄ちゃんと中也と紅葉さんに祝ってもらう。
お兄ちゃんが消えてからも、中也と紅葉さんに祝ってもらっていた。
中也に、「構成員の奴から」と言って、メッセージカードを貰っていた。
でも、それが構成員からではないことは、字と内容でわかる。
ありえないけど……お兄ちゃんからのような気がしていた。
それがなんとなく、嬉しかった。
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Rin(プロフ) - 完結おめでとうございます。とてもよかったです (2022年7月16日 0時) (レス) @page27 id: 4ae69cd508 (このIDを非表示/違反報告)
愛実(プロフ) - きえさん» ありがとうございます!トリップ小説にもコメントくれ?本当にありがとうございます! (2016年9月4日 19時) (レス) id: 51dbbb2d03 (このIDを非表示/違反報告)
きえ(プロフ) - めっちゃよかったです!! (2016年9月4日 14時) (レス) id: 3aafe91e2f (このIDを非表示/違反報告)
愛実(プロフ) - 文豪ストレイドッグスさん» ありがとうございます!完結しちゃいました(笑)新作をもう見てくれたんですか!?ありがとうございます! (2016年9月3日 19時) (レス) id: 51dbbb2d03 (このIDを非表示/違反報告)
文豪ストレイドッグス - 完結おめでとうございます!とても面白かったです!!!新作も面白かったです!!! (2016年9月3日 18時) (携帯から) (レス) id: 0b69676c3b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:HQ&進撃 | 作成日時:2016年8月18日 18時