【ONE PIECE】絶対のない賭け

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『さァ、始めよう。私が勝つのか、お前が勝つのかは、これで決まる』

仮面を着けた女の前の机には、沢山のコインと山札が積み上げられている。

両者の手には、５枚のトランプ。

周りは観客が囲んでいる。

｢ハハ、俺の勝ちだな女ァ！＿＿＿＿＿フルハウスだ！｣

男が乱暴にトランプを机に叩きつけた。

『残念。私はロイヤルストレートフラッシュだ。……私の勝ちだね』

ゆっくり机の上にトランプを置く。

『んじゃあ賭け金は貰っておくよ』

女は男のチップを自分の方に寄せ、ディーラーに換金するよう伝えた。

｢お、おい待て…！あ、あれは俺の生活費が……！｣

『だから何？』

いつの間にか、女のが男の横に立っていた。

｢い、いつの間に……｣

『あの金は自分から賭けるって言ったんだろう？よほど勝つ自信でもあったんだろうが、賭け事に〝絶対〟なんてないんだよ？……細工でもしない限り、ね』

男の顔に冷や汗が流れる。

『じゃあね。恨むんなら、運のなかった自分でも恨んでなよ』

ヒラヒラ、と手を振り、ディーラーから金が入っているであろう袋を受け取り、女は店を出た。

ずっとその様子を伺っていた男は、気だるそうに欠伸をひとつ漏らした。執筆状態：連載中