06:案内 ページ7
「ではどうぞ。火神君」
案内されるままに部屋にはいるとどうやら黒子の荷物は少ないようで、小さな鞄がひとつあるだけだ。
中から出ていたものは5つの印のついた古びた地図にコンパス。それと小さな財布に携帯食料など…ただの旅人にしか見えない荷物で、どうみても王族繋がりには見えない。
「この地図は?」
「あ…それは……知り合いに会いに行こうと思いまして…」
「知り合い?」
悲しそうな顔になった黒子。
(知り合いに会いに行くのに何で悲しそうな顔をするんだ…?)
そんな火神の気持ちを察したのか黒子は苦笑して説明をしはじめる。
「はい。でもその地図はずっと前の話を聞いたときの地図ですから…もしかしたら、もういないかもしれません」
聞いてはいけないことを聞いてしまったらしい…。
火神はの心の中は罪悪感に包まれた。どうしよう…とりあえずは謝ろうと口を開く。
「……なんか悪ぃな」
「気にしないでいいですよ火神君。もう10年も前の話ですから」
もう一度、地図を見た火神はそれがどこの位置と重なってるかをすぐに理解した。
これに類似した道を彼は知っているのだから。
・
「……この地図の場所なら…カイジョウ、シュウトク、トウオウ、ヨウセン、ラクザンの5つだ。ここから一番近いのはカイジョウで、南に向かっていって2日って所だな。港町で貿易が盛んだ。ただ"人としての扱いを受けない奴等"も連れてこられてるから気を付けなきゃいけねぇ」
「人としての…扱い」
一瞬だけだが黒子が目を見開いて怯えた風体を見せたのを火神は見逃さなかった。
その姿を目にしっかりと焼き付けると、地図をもとの場所にしまう。
「情報としてはこんな感じだ」
「火神君、詳しいですね」
「まあ…一応用心棒の見習いをしてるからな」
「それなのに魔物に襲われていたんですか」
「あれは…たまたまだっ!」
痛いところを突かれた火神は首を振る。黒子は呆れて肩を落とすとチョイチョイと火神を手招きした。
「なんだよ」
「簡単な魔法を教えようと思いましてね…いくらバカでもできる魔法です」
「さりげに酷いなお前…」
「"優しい"といってくださいよ。僕がお馬鹿な火神に教えるんですよ?」
「言い方変えただけじゃねぇかっ!!……わかったよ…」
渋々了解したようだ。
・
…まあ、そんなことを言われれば了解せずにはいられないだろう。
・
ラッキーアイテム
革ベルト
14人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「二次創作」関連の作品
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
ミコト宮地(プロフ) - あれ…この話前niconicoで見たことある…初めのプロローグ。 (2014年10月13日 21時) (レス) id: 310942e7e1 (このIDを非表示/違反報告)
ののん*(プロフ) - とてもおもしろいです!心読み少女の夏休みも、更新楽しみにしてますね! (2014年4月23日 16時) (レス) id: 671cb3fac6 (このIDを非表示/違反報告)
びんこ - このお話が好きです! 頑張ってください (2014年4月19日 21時) (レス) id: a7e9759f2a (このIDを非表示/違反報告)
闇竜(プロフ) - とても面白いです!更新頑張って下さい! (2014年1月30日 18時) (レス) id: dccfe97d53 (このIDを非表示/違反報告)
ハリネズミ@まるてと。嫁(プロフ) - わぁ~新作ですね(*´∀`)!!!!楽しみにしてますヾ(〃'v'〃)ノ (2013年7月3日 21時) (レス) id: 1d5613e612 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:ゲームを作りたい月影 | 作成日時:2013年7月3日 19時