13:孤児 ページ14
確かに黒子の泊まっている部屋は1人なら広いが5人が集まればかなり窮屈になるかもしれない。
表沙汰にはできない話のため、話をするなら彼らの部屋でしようと言うことで、黒子もそれに同意した。
案内された場所は彼らの部屋で、整理整頓されている。ここが彼らの下宿先なら火神がいてもおかしくないのに、そこに火神の姿は…無かった。
「すまねぇな…わざわざ…」
「気にしてませんよ。でもさっきの話は一体…」
「あー…何処から話すべきかな…」
日向は少し考えて、話す過去を選んだようだ。
「今から10年前だ。アイツがまだ子供の時に、幼かった俺達と出会った。
あの時、アイツは泣きながら"タツヤが…"って泣いててさ、あとで調べたらアイツには血の繋がらない兄弟がいたんだよ。
…でも…火神を庇って背中に矢が刺さって海に落ちたそうだ。死体は出てこないまま、アイツは自分を責めた。そんななか監督がさ…アイツを弟のように育てたんだよ。
監督にとって火神は戦争孤児だった俺達と同じ仲間で家族で…馬鹿でチャランポランでヒビり怖がりで、でもムキになってやる奴でさ…。
みんなの弟みたいだから…心配してるんだ。一人だけ…家族の最後の姿を見つけれなかったから…」
「…火神君…」
黒子の知らなかった話。火神にそんなことがあったとは…そう思うとなんだか自分と境遇が似ていた。
家族の最後を知らない自分に。非常に…似ていた。
「でもだからって俺達は火神を止めない。もしかしたら火神の兄弟が生きてるかもしれないからな!」
「………」
「水戸部もやっぱりそう思うか?」
小金井と水戸部は笑いながら、暗い空気をはらしていく。猫のような笑い方をしながら黒子の頭を撫でた。
これじゃ猫に撫でられてる飼い主みたいだがそれも悪い気はしなかった。
「俺達としては火神には広い世界を知ってもらいたいんだ。あいつ馬鹿だから。黒子とならナイスなコンビネー…ハッ!!ナイスじゃないすっか」
「よし黙れ。今すぐ黙れ…てか死ね」
「……ッ!?…………!!」
「落ち着け日向ッ!!伊月、お前が黙ればすべて収まるからッ!!」
剣を握りしめ振り上げた日向の体を水戸部が取り押さえ、それを小金井が奪い取る。緊張した一瞬だったがなんとか事態は収まった。
「すまないな…」
「いえ…大丈夫です。監督さんと火神君のことが知れてよかったです。ありがとうございました」
「気にすんなよ。それに頼みがあるしな」
「………?」
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どういうことなのだろうか?
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ミコト宮地(プロフ) - あれ…この話前niconicoで見たことある…初めのプロローグ。 (2014年10月13日 21時) (レス) id: 310942e7e1 (このIDを非表示/違反報告)
ののん*(プロフ) - とてもおもしろいです!心読み少女の夏休みも、更新楽しみにしてますね! (2014年4月23日 16時) (レス) id: 671cb3fac6 (このIDを非表示/違反報告)
びんこ - このお話が好きです! 頑張ってください (2014年4月19日 21時) (レス) id: a7e9759f2a (このIDを非表示/違反報告)
闇竜(プロフ) - とても面白いです!更新頑張って下さい! (2014年1月30日 18時) (レス) id: dccfe97d53 (このIDを非表示/違反報告)
ハリネズミ@まるてと。嫁(プロフ) - わぁ~新作ですね(*´∀`)!!!!楽しみにしてますヾ(〃'v'〃)ノ (2013年7月3日 21時) (レス) id: 1d5613e612 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ゲームを作りたい月影 | 作成日時:2013年7月3日 19時