12:願 ページ13
「嘘っ!」
「本当ですよ。僕は母の言いつけの通り、一月前に母が残した神殿にいきました。
そこで、誰かは知りませんが…カイジョウ、シュウトク、トウオウ、ヨウセン、ラクザンにいる"キセキの獣"に会いに行けと…彼らを止めてくれと頼まれました」
「そんな……いやあり得るかも…」
リコは驚きのあまり、何をしたらいいのかわからないまま、先程いれた紅茶に口をつける。ずいぶん前にいれた紅茶のはずだが魔法によりいまだに暖かいままだ。
黒子もリコと同じような紅茶を飲み始めた。
落ち着いたのか溜め息を溢す。
・
「……カントク。頼みがあるんだけどいいか…です」
火神は立ち上がると黒子のそばにやって来て、リコを見つめた。
「火神君?」
「俺…コイツと旅に出たいんだ」
「ブッ!!」
飲んでいた紅茶を吹き出したリコ。不運にもそれは小金井にすべてかかった。
「うわっ!」
「馬鹿なの火神君!いやバ火神が!」
不運な小金井だがそれを無視して怒鳴り込んだのはリコだった。
頭を指差しハンドジェスチャーを巧みに使いながら火神を睨む。それは心配する母親の姿にも見える。
「バカでもなんでもいいッ!それでもコイツには恩返しをしたいんだッ!コイツは道がわからない!こんなひょろい体でカイジョウまで行ききるかどうかもわからねぇ!
つーか多分いけねぇ。俺がいけばコイツの目的も果たせるし、俺たちも同盟を結べるかもしれないだろッ!……です」
「おぉ…火神にしては正論だ…」
「ちょっとみんなっ!」
「カントク、火神ももう子供じゃないんだ。認めてやれよ」
躍起が収まり溜め息をついたリコは椅子に座ると肘をついて頭を抱える。
・
「……考えさせてほしいわ…」
「カントクッ!」
「……ゴメン火神君…今は頭が一杯で…また明日話しましょう。黒子君も疲れてるでしょ?今日はみんな…休みなさい。監督命令よ」
「でもっ…───ッ!…わかりました」
命令は絶対だ。部屋を出ていく彼らを見ながらリコが溜め息をついたとは誰も知るよしがない。
・
「いつかこうなることは予想していたのに…ね…───」
無償な悲しさに襲われた…それが彼女の気持ちであった。
・
†††††
・
「ちょっといいか黒子」
日向に止められた黒子は振り向くと、そこには日向以外にも伊月と小金井と水戸部がいた。敵意は感じられない。
「少し聞いてもらいたいんだ…火神と監督について…」
「…伺いましょう」
・
「俺たちの部屋で話すから来てくれ」
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ラッキーアイテム
革ベルト
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ミコト宮地(プロフ) - あれ…この話前niconicoで見たことある…初めのプロローグ。 (2014年10月13日 21時) (レス) id: 310942e7e1 (このIDを非表示/違反報告)
ののん*(プロフ) - とてもおもしろいです!心読み少女の夏休みも、更新楽しみにしてますね! (2014年4月23日 16時) (レス) id: 671cb3fac6 (このIDを非表示/違反報告)
びんこ - このお話が好きです! 頑張ってください (2014年4月19日 21時) (レス) id: a7e9759f2a (このIDを非表示/違反報告)
闇竜(プロフ) - とても面白いです!更新頑張って下さい! (2014年1月30日 18時) (レス) id: dccfe97d53 (このIDを非表示/違反報告)
ハリネズミ@まるてと。嫁(プロフ) - わぁ~新作ですね(*´∀`)!!!!楽しみにしてますヾ(〃'v'〃)ノ (2013年7月3日 21時) (レス) id: 1d5613e612 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ゲームを作りたい月影 | 作成日時:2013年7月3日 19時