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01:対面 ページ2





(ヤバイヤバイっ!)



草木を掻き分け、岩を飛び越え走り続ける。振り返ると後ろから化物の声。あからさまに彼を探している風であった。

赤髪に巨体な体、歳は15、6ぐらいの若い青年。背中には鞘、右手には大剣。

時期は冬があけて、まだ春になったぐらいなのに全身から冷や汗が止まらなかった。



(このままじゃやられる…)



そう思った青年は剣を抜き構えた。森の奥には怪しく光る赤い2つの目。

ウルフ…の目だった。



「"火"があれば…クソッ…こんなことならちゃんと魔法を覚えてえておくべきだった!」



そう叫んでから地面を蹴りあげ飛翔する。そういった理由は単純であった。


魔法はからきし駄目な彼。

実は隣の村から早く帰るためにも松明が荷物になると思い、それを持っていないことが致命傷になった。あれほど言われ続けていたのに…無視をして、今現在、額から体から全身から汗を流しているのだった。

後悔先に立たず。



(5…いや7か…一人じゃ無理だ…!)



ギリッと歯を食いしめ、逃げる機会を伺おうとしたが、闇に光る目はそうはさせなかった。一斉に飛びかかるウルフたち。



(チ…ッ!)



逃げる術はなく、彼は防御の形をとろうとし…しかしその爪は真っ直ぐ目に向かってきて、とっさに目を閉ざした。












「キャウンッ!!」



と、同時の悲痛な声。


何が起きたのか理解できなかった目を開けてみると、彼の目の前に不思議な雰囲気を持った何者かが、立っていた。

歳や容姿はわからないけど、背はあまり高くないことだけはわかる。フードのしたからわずかに見えた水色の髪。



「一旦引きますよ」



落ち着いた声。若いその声は青年のようだ。そんな水色の髪の彼は手をかざしなにかを呟くと、手のひらから小さな、しかしながら次第に大きくなる火の玉を作り出した。



「僕がこれを打った隙に僕を担いで逃げください」



「何でだよッ!?」



「僕…体力がなくて…」



「そんな理由かよッ!?」



そんな彼のとんでも発言。

それにビビらない人間の方がいない。


しかし赤髪の彼は渋々承諾し、いつでも抱えて走れるようにスタンバイした。



「ではいきますよ」



水色の髪の彼が火の玉を投げつけるのを確認した赤髪の彼は急いで、言われるがままにその体を抱えて森の中へと全力で。







…自分の帰るべき村に向かって走り抜けた。



02:帰還→←00:魔女の国の話


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ミコト宮地(プロフ) - あれ…この話前niconicoで見たことある…初めのプロローグ。 (2014年10月13日 21時) (レス) id: 310942e7e1 (このIDを非表示/違反報告)
ののん*(プロフ) - とてもおもしろいです!心読み少女の夏休みも、更新楽しみにしてますね! (2014年4月23日 16時) (レス) id: 671cb3fac6 (このIDを非表示/違反報告)
びんこ - このお話が好きです! 頑張ってください (2014年4月19日 21時) (レス) id: a7e9759f2a (このIDを非表示/違反報告)
闇竜(プロフ) - とても面白いです!更新頑張って下さい! (2014年1月30日 18時) (レス) id: dccfe97d53 (このIDを非表示/違反報告)
ハリネズミ@まるてと。嫁(プロフ) - わぁ~新作ですね(*´∀`)!!!!楽しみにしてますヾ(〃'v'〃)ノ (2013年7月3日 21時) (レス) id: 1d5613e612 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:ゲームを作りたい月影 | 作成日時:2013年7月3日 19時

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