＊８９話 ページ10
休憩時間をもらった私は、あみちゃんに電話していた。
「ええっ 聖華ちゃんお祭で神楽踊るの?」
驚かれた。
そこまで驚くことだろうか。
「うん。それで花火大会は行けそうにないんだ。ごめんね約束してたのに」
いや、本当に申し訳ない。
「いいよいいよ。聖華ちゃん踊るなんてスゴイよ」
もしかして踊れるなんて思ってなかった??
「巴衛に教えてもらってるんだけどね…」
「じゃあ巴衛君と仲良くやれてんだ」
仲良く、なのだろうか。
まあ確かに仲直りはできたと思うけど……。
「全然…優しくないしキツいし」
褒め言葉っぽいのはもらったけど。
「私……怒鳴られてばっかだよ…」
「楽しみだよ。聖華ちゃんの踊り」
あみちゃん……!!
「二十四日だね。絶対ケイちゃんと二人で見に行くから!頑張ってね!」
そうだよ。
頑張らないとダメなんだよ。
凹んでられないんだ。
「帰ったら練習頑張らないとだなぁ…」
皆に見てもらうんだから。
ミカゲ社は健在なんだって。
―――ｺﾞｳｳ…
突然の強風は驚いた。
「んー…容姿はＣ」
突然何ですか!?
「運動能力Ｃ、知能Ｃ」
えﾞ何これ何これ!?
「潜在能力、霊力、共に“Ｃ”と…通力は……あら、Ａじゃないの」
私って通力はＡだったの??
何それ初耳。
「ええと…そこの美しいお姉さん、一体これは……??」
「あらいい質問ね。アンタの神適性レベルを調べてるのよ。因みにＣランクかしらね」
それは恐らく悪い成績なのだろう。
「ちょっといい所の地縛霊クラスってところかしらん」
ちょっといい所って何処だ??
「不思議よね――っ」
何が!?
「どーしてミカゲ君はアンタみたいなの選んじゃったのかしら」
「えﾞなんかごめんなさい」
ここは謝ろう。
この神様、恐ろしい。
―――ﾌﾞｵｵ…
突然浮いた私の体。
「ミカゲの名で祭事をするからには試させてもらうわ」
試験って奴ですか。
えﾞ面倒臭くね??
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