＊８５話 ページ6
さて…なにからとりかかろう。
「出店はおいといて―何かコレ!っていう出し物が欲しいよね」
出店と言えばお面とかその辺??
「山の中で花火は危ないし…お神輿とか獅子舞とか…」
考えるのって嫌いなんだよなぁ。
「神輿といえば裏手の宝物庫に以前使われた祭具がございます。たしかミカゲ様が町を渡御された神輿もそこに…」
えﾞあんの??
神輿とかあんの??
「…そ、それ借りられる?」
「もちろんでございます」
出すのは瑞希に手伝ってもらうとしてっと。
「ありがと―瑞希!」
「重かったよぅ。僕一人で…巴衛君は何してるの?」
「庭の手入れ」
巴衛ってば黙々と掃除してるよね。
「……」
ﾎﾞﾛﾎﾞﾛだ。
小さい上にﾎﾞﾛﾎﾞﾛのお神輿だ。
「なんとかなる!なんとかなる!洗って塗装しなおせばどうにか…!!」
あ、でも困ったなぁ。
こんなの出したら益々お化け神社って言われる……。
なんとか修復して見せられる様にしなきゃ……!
＊
「これはこれは…洗ったのはいいけど……」
ﾎﾞﾛﾎﾞﾛなのは誤魔化せない。
アレンジなんて出来んぞ。
「うーん…」
「ご苦労なことだな」
「んー…別にまだ洗っただけだよ。私は、アレンジなんて出来ないからね」
これから解決策を考えなくては。
「……お前、神輿が何か知っているのか?」
「えﾞ!?知ってるよ……??神様の乗り物でしょ??」
聞いただけの話だけど。
「そうだ。神の輿…つまり人が担いで神が乗る物だ」
あ、正解だった。
「生身のお前がそれに乗れるのか?」
そこまで考えていなかった。
「お前に祭事は向いてないのだ。もう中に入れ、暑さで倒れるぞ」
心配してくれるのは嬉しい。
でもね、巴衛の方が暑そうなんだよね。
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