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＊１１０話 ページ30
本日も晴れなり。
久し振りの遅刻ギリギリである。
…夢がとても嬉しかったんです、ﾊｲ。
「おい朝食…」
「そんな暇ない。バス来ちゃう!!」
朝食は食べたい。
が、遅刻はダメだ。
うむ、帰ったら食べよう。
いや、でも瑞希が食べるかも。
その時はその時で。
「仕方がないな…」
んん?
「狐火で少しバスを足留めしてやろう」
えﾞ狐火で?
「ダメ。そんな事情で他人の予定を狂わせたくない」
だからダメだ、絶対に。
「走れば間に合うかもしれないからーッ」
―――昨日決めたことがある。
「そんな歩みで間に合うか」
それは巴衛に頼らないようにすること。
「巴衛、試験の間はできるだけ巴衛の手は借りないことにしたいの」
怒られるかもしれない。
が、それでも私は伝えた。
「しばらくの間 私にあんまり構わないで欲しいんだ」
「自分の事もままならんくせによく言うな!!」
やっぱり怒った!!
「わかってる。わかってるよ!!だからこそよ!」
わかってるからこその決断。
「巴衛に甘えたままで試験なんか勝てない…」
勝ちたい気持ちもあるけど、何より私は……。
ちゃんと認めてもらいたいから。
「お前…まだ勝つ気だったのか…その猿で」
「ﾑｯ…ひとりで頑張れるし!」
「勝手にしろ。また妖が出ても知らんからな」
「大丈夫ですー!!」
多分、大丈夫だ。
自分を信じるだけだ。
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