＊１０２話 ページ23
「ハァイ小娘 神楽お疲れ様」
――ﾌﾞｯ
突然、背中を叩かれ飲んでいたレモン水を吹いてしまった。
「これはこれは珍しい客だな」
そこはどうでもいい。
「風神乙比古神。ミカゲの友神だ」
は?神様?
「あんたの祭チラ見させてもらったわ」
神様に見られてたの?まじで?
「まぁまぁ良かったけどそれでもまだ合格点はあげれないのよね」
何の話だ、一体。
にしても顔が近い。
「回りくどいな乙比古殿」
あ、乙比古の顔が遠くなった。
「出雲の召喚状を届けに来たのではないのか?」
出雲の召喚状ってなに?
「毎年十月の一週間」
神無月のこと?
「全国の神々が出雲に集まって会議を開くの」
所謂、人間の議会とかの神様verって奴?
「ミカゲ君がいなくなって席がひとつ空いたままでしょ。そこで後継者の聖華を呼ぼうかってことになったんだけど」
なったんだけど?
「聖華って人神だとしても全然未熟でしょ」
未熟で悪かったな。
「結構上でモメてさーどうせ呼ぶなら他にも良い人神がいるんじゃないかって案も出てね」
誰だ、そんな案を出したのは。
「京都に現人神と呼ばれる人間の娘がいるの」
京都と言えば湯豆腐だよね。
「そこでその娘とどっちが出席に相応しいか競わせて決めようって事になったのよ」
だから誰だ、それを決めたのは。
「あんたみたいなのが神議りに出席できるなんて有難い事なんだから精々頑張る事ね」
上から目線に腹立つ。
「私…そんなとこ行かない」
「なんですって――!!」
五月蝿い。
「上から目線で勝手にそんな事決められても行きたくないし行く気もないよ!」
「いいのかしら。全国の神々が集結する出雲の神議りなら…ミカゲ君の居所を知ってる神くらいいるかもしれないわよ」
ミカゲさんの居所を知ってる神が…?
「…そう思わない?巴衛ちゃん」
問題は巴衛の意見だよね…。
「ミカゲは自分から出て行ったのだ。居所など知る必要はない」
それは巴衛の本心なのだろうか。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 30人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
