＊８２話 ページ3
「…そう」
ケンカを始める二人に近付くのは私である。
「どうしてもケンカやめないってのなら……」
そして二人の腕を掴む。
「私にも考えがあるわよ」
そのまま二人には手を繋がせる。
「仲直りするまでこの手を外すの禁止!!仲直りできないなら一生二人で手をつないでなさい!!」
そんな命令を下した。
去っていく時、二人の声が聞こえたがスルーの方向で。
＊
みんなと合流すると、ナンパされた。
ケイちゃん、美人さんだもんね〜。
って違う違う違う。
いや、ケイちゃんは美人だけど。
そこは否定しないし否定できない。
「いいじゃん。ちょっとくらい」
「女の子三人だけって寂しくねぇ?」
「こっちも男三人だしさぁ。ちょっとくらい付き合えよ」
それは間違いですぜ。
今はいないけど、巴衛と瑞希がいるしな。
「別に女の子三人じゃないんですよぉ」
表情は笑顔ままま、しかし言葉には苛立ちを込める。
「ブサイクは消えな」
「はぁ?」
ケイちゃんがナンパ三人組を怒らせてしまった。
「誰が不細工だｺﾗｧ…」
「ぐふっ」
なんで私が顔面ﾊﾟﾝﾁを喰らったのだろうか。
「大丈夫?聖華ちゃん」
隣で猫田さんが心配してくれてる。
「あはは、大丈夫だよ〜 こいつらに償わせるから」
私は猫田さんに荷物を預かって貰おうとすると………。
「おい。人間風情が何をしてくれているのだ」
巴衛の声が聞こえた。
「なんだてめーら!?」
「仲良く手なんか繋ぎやがって!」
あ、それ強制的命令ですから。
「余計な世話だ」
怒ってる!!巴衛がすごく怒ってる!!
「巴衛君たらそんな言い方しちゃダメだよ。人間に」
鼻が痛い。
「僕達は神使なんだからもっと上品にしないと」
鼻血が止まらぬ。
「ね、聖華ちゃん」
「………」
鼻血ってどうやって止めるんだっけ??
「聖華ちゃん?」
「…えﾞ!?あ、うん!」
その後、ナンパ三人組がどうなったかは知らない。
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