白銀の運命 (ページ14)

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13story ページ14

「う…わーーーーーー！！！！！！！！！！！！！」

「キャアァぁぁぁ！！！！！」

二人の悲鳴が空を舞う。

春斗とゆきは、遊園地に来ていた。

そして今は…

「お、おぉ…」

「はー楽しかった！！次はあっちに行きたいです！！」

遊園地に来てわかったこと。

それは…
意外にもゆきが

絶叫系が好きだったこと。

百八十度回転なんてものは序の口で、上から下へ、内臓が浮く感じのも、スピード系のも全然平気そう。

そんなゆきがいるのだ。

乗る物なんて当然、絶叫系になるわけで。

「う…わーーーーーー！！！！！！！！！！！！！」

「キャアァぁぁぁ！！！！！」

これをもう何度繰り返したことだろうか。

．

春斗は、絶叫系が得意というわけではない。

ある程度乗れるだけ。

体が百八十度回転して、頭が上から下へ向く物や、何も見えない、視界が真っ暗な中、急降下するものには、ＨＰが思ったより削られたのか。

春斗の顔は最初よりも元気がなかった。

きゅうりみたい。

「春斗君、大丈夫…？ちょっと休憩しよ！」

「う。ごめんなさい…。」

「大丈夫！むしろ謝るの私だから！！
いっぱい付き合わせちゃってごめんね。」

面目なさそうに言うゆきに、罪悪感が押し寄せてくる春斗。

どんよりした空気を変えるかのように、明るい声でゆきが言った。

「よし！休憩中、あれ、食べない！？」

そう言って指さしたのは、チュロス。

甘いシナモンの香りが、辺りに漂っていた。

「ありがとう。」

聞こえるか聞こえないかくらいの小さな声。

春斗が言ったありがとう。

一体、どんな想いがこもっていたいたのだろう。

声ではわからないし、行動でもわからない。

でも。

目は優しかった。

「ふふ。じゃ、買ってくるね！！」

ゆきには届いたのだろうか。

春斗の声が、

想いが。