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翌朝。
「母ちゃんいってきまーす！」
「はーい、いってらっしゃーい！」
教室に入ってからこちらを振り返り
大きな声で手を振る大貴。
恒例行事だけど、ちょっと恥ずかしいんだよね。
でもそんな我が子とのやり取りを
愛おしく思う自分もいて、
ついつい私も大きな声で返事をしてしまう。
昨日の反省を生かし
しっかりと目覚まし時計をセットし
余裕を持って支度をして。
保育園に駆け込むなんてことなく
いつもより余裕をもって
ゆっくり大貴と手を繋いで歩いた。
それでも普段より早く保育園に着いたため
顔見知りのお母さんがほとんどいない。
「大貴くんのお母さん、おはようございます」
そんな私に、声をかけてきたのは
.
「おはようございます……えっ」
ヤマダさんだった。
思わずびっくりして声に出てしまう。
そんな私を見てヤマダさんはケラケラ笑う。
……朝から笑顔が眩しいな。
笑うヤマダさんをチラチラと
見つめる他のお母さんたちの顔が
視界の端から見て取れる。
みんなヤマダさんの笑顔に見惚れている。
ついでに、なんでお前？ みたいな視線が
私に寄せられているのも、なんとなく気づいた。
でも彼は、そんなことに一切気づいていないようで
私との会話を続ける。
「伊野尾ちゃんのカフェの常連さんが
ひなと同級生で同じ保育園だったなんてびっくりで」
.
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作者名：めもり | 作成日時：2021年11月21日 21時
