▽ちちんぷいぷい ページ5
.
「……んっ……え」
心地の良い眠りから覚め
目を開けると朝日が窓から差し込んでいる。
小鳥のさえずりが聞こえる
優雅な朝……じゃない。
視界の隅に捉えた掛け時計は
7時50分をさしていた。
いつも起きるのは、6時30分だったはず……。
.
「っ大貴！ 起きて！」
待って待って、なんでこんな時間なの？
目覚ましは？ あれ、セットしてない！
っていうか私、いつ寝た？
色々な疑問が次々と湧き出ては
考える間もなく流れてゆく。
焦りで思考回路はぐちゃぐちゃだ。
それほどまでに、余裕がない。
ただでさえ朝は戦争なのに
寝坊なんて、完全にやらかした。
そんな焦る私が先程まで眠っていた布団の横には
絵本『シンデレラ』が途中のページで開かれたまま
置いてあった。
.
朝がすこぶる弱い大貴を
いつもなら辛抱強く
できるだけ優しく起こすけれど
今日はそうも言っていられない。
叩き起こして身支度をさせ
トースターで焼いたパンを無理やり食べさせる。
その間に私は
社会人として最低限の身支度を済ませる。
保育園、給食でよかった。
心からそう思った瞬間だった。
「いってらっしゃーい！」
「おう！ 母ちゃん行ってくるねー！」
8時30分。
全力ダッシュで大貴の保育園へ向かい
登園ギリギリの時間に門をくぐった。
とりあえず、大貴の保育園には間に合った。
けれど……
「私が遅刻しちゃう！」
.
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 142人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「Hey!Say!JUMP」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：めもり | 作成日時：2021年11月21日 21時
