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「えーっと、とりあえずホットカフェラテ……ん？」
泣いてしまう気がする。
分かっていても求めるのは、ホットカフェラテだった。
お腹は空いているけれど、
飛び出してきた以上のんびり食べる暇はない。
早く戻らないと、仕事は山積みだ。
そう思って注文しようとした瞬間
ポケットの中で震えるスマホ。
目の前でオーダーを取ろうとする
伊野尾さんに断りを入れて電話に出た。
大貴の保育園からだった。
「大貴くんが熱を出してしまいまして……
お迎えをお願いできませんでしょうか？」
朝は元気だったのに。
子供の体調はジェットコースターのようだ。
にしても、めったに体調を崩さないから
すごく心配で……
逸る気持ちを抑えて、会社に電話をかける。
幸い必要最低限の荷物は持っている。
今日は早退させてもらおう。
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「いやこっちもトラブってんだよ！
無理だ、子供は誰かに頼め！ 早く戻ってこい！」
でも、待っていたのは非情な上司の怒号だった。
「どうしよう……」
正直、仕事なんかより息子の方が大事だ。
近くに頼れる人もいない。大貴には私しかいない。
でも、仕事を失ったら生きていけなくなる。
どうしよう、どうしようどうしよう…！
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自分では解決策なんて思い浮かばなくて
ただひたすら狼狽えていると、
聞こえてきた、救世主の声。
「俺、大貴くん迎えに行こうか？」
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作者名：めもり | 作成日時：2021年11月21日 21時
