第23話「無垢で綺麗」 ページ25
「気を悪くしねぇでくれな。俺はどうも人に寄られるタチでよ。」
ダンは歩きながらそうわたしに話してくれるけど。
「大丈夫。気にしてないから。ダンはお金持ちだし、女の人たちが寄ってくるのも無理はないよ。だってダンは、かっこいいし…」
気にしないわけがないのに。
「なに言ってんだっぺ。俺はそんな男でねえっぺ。」
でもなんとなくわかる。
ダンは女性の扱いが上手い。
さっきわたしに貝殻のペンダントをくれたのだって、きっとそういう気配りをするのに慣れているからだ。
「ダン。Aに変なことしないでよね。」
「俺がいつAに変なことした?」
ほっといてよイース。
わたしは今それどころじゃないの。
「Aに変なことはしねえ、っつーか、できねえっぺ。Aは綺麗だがらな!」
急に嬉しいことを言われる。
「わたしが綺麗だなんて、冗談はやめてよ。」
「俺は冗談でそんなこと言うと思うかえ?」
ダンはまじめな瞳をわたしに向ける。
「Aはきっと厳しく育てられたんだべ。なんつったって、自由を知らねえくれぇなんだから。ノーレの教育とイースの護衛の賜物だっぺ!」
ダンはそのままわけのわからないことを喋り続けた。
「Aはこの世の穢れを知らねえ。無垢すぎるくれぇに綺麗だ。そんなAを、ぞんざいに扱えるわけがねえべよ。」
ダンの気持ちに、悲しみがカモメのように飛んで行った。
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ランリ(プロフ) - いやいや作品全て見ましたがとてもいいのばかりでした。 (2015年7月4日 8時) (レス) id: 14ecb5ccfe (このIDを非表示/違反報告)
スノーデイ(プロフ) - ランリさん» エストニアオチですか…考えてみます!でもわたしはけっこう思いつきでものを書くので、短期間で書けても内容は薄っぺらいことがほとんどですよ。 (2015年7月4日 4時) (レス) id: 34f11f5ff1 (このIDを非表示/違反報告)
ランリ(プロフ) - こんな短期間でかけるなんてすごいです。次の長編のオチはエストニアがいいなーって思ったりもしながら見てます。頑張ってください (2015年7月4日 1時) (レス) id: 14ecb5ccfe (このIDを非表示/違反報告)
スノーデイ(プロフ) - Ocean Of Stars2865さん» 憧れるだなんて恐縮です(;・∀・)それに待っていてくださるなんてもっと嬉しいです。ありがとうございます! (2015年1月18日 16時) (レス) id: ded5f9c70d (このIDを非表示/違反報告)
Ocean Of Stars2865(プロフ) - 主人公の気持ちに同感して、この話がすごく気に入りました!!こんなに感動する話が作れるスノーデイさんはめっちゃ憧れます(*≧∀≦*)これからもスノーデイさんの素敵な話を待ってます(*´∀`)頑張ってください!! (2015年1月18日 14時) (レス) id: 331070e4f4 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:スノーデイ | 作成日時:2015年1月12日 22時