第13話「魔術部の呪い」 ページ13
アーサーに連れて来られたのは魔術部。
「この部活、アーサーひとりだけ?」
「ちげーよ。もうひとりいるよ。」
「あ、ごめん。ルー君がいたもんね。」
まあそのルー君も今日は風邪でお休みしてるらしいけど。
なぜここに連れて来られたのか疑問に思っているところへノーレがやって来た。
「ここにいたのけ。」
「ノーレ!なんで来たの?」
「見学だべ。あと、Aの付き添いも兼ねてだなぃ。」
そしてノーレが来たところでアーサーは一枚の紙と鉛筆、そして赤いペンを差し出した。
「これ、なに?」
「呪いのための道具だ。」
《豚》に仕返ししてやりたいんだろ?とアーサーは言う。
「ノーレ、こんなことしていいの?」
「Aは知らねぇかもしれねえけんじょ、法律的にも常識的にも呪いで相手に何かしらのことをしてもどうってことはねえんだ。」
「呪いで人を死に追いやることは不可能って認識されてるしな。それに呪いを証明することも不可能だ。」
でも『人を呪わば穴二つ』って言うし…。
「何だよ、心配なのか?」
「当たり前でしょ。」
こんな不気味なもの、わざわざ《豚》に使って呪いが返ってきたら怖いもの。
「心配することねぇよ。呪いで罪に問われた判例もねえし。」
「現に呪いで人をどうにかできるわけがねぇって捜査機関の人間も言うくらいだはんで…」
そうか。
この二人、思えばオカルトとか大好きな人たちだったもんな。
「苦しみを味わっていない奴や呪いを必要としてない人間には呪いなんかただの迷信で終わる。だが、Aは実際に助けや救いを必要としてるだろ?」
アーサーは紙に言葉にするのも難しい模様を書き、人型の絵を描き、その人型を突き刺すように赤いペンで線を引いた。そして真ん中には人の名前を書けるだけの空白が。
「ここに《豚》の名前を書けば呪いは成功する。それを24時間保管して、あとは燃やすなり取っておくなりすればいい。」
「A。アーサーが作ってくれたもんだぞ。これでAもなんぼか楽になれるんでねえか…?」
でも…。
「アーサー。わたし、呪いなんか使わない。」
そんな不確かな方法で《豚》を痛めつけられるとは思えないし、何よりわたしの良心がそんなの許さない。
「協力しようとしてくれたのにごめんね。ありがとう。」
それだけ言って魔術部を出た。
18人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「ヘタリア」関連の作品
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
桜葉 - 動画の悪質なコメントをよく観るので夢主ちゃんの気持ちわかります (2017年11月2日 17時) (レス) id: e19bf62fb6 (このIDを非表示/違反報告)
スノーデイ(プロフ) - コッコ船長さん» ああいうコメントをする人って何なんでしょうね。共感していただけて嬉しいです! (2016年6月27日 22時) (レス) id: cb443af24c (このIDを非表示/違反報告)
コッコ船長 - よく動画を見ていると不躾なコメがちらほらあったりするので夢主さんの気持ちがよーく分かります!! (2016年6月20日 23時) (レス) id: b8ecd8eab1 (このIDを非表示/違反報告)
スノーデイ(プロフ) - ちかさん» そうです。その行為が許せなくてこういうものを作りました。しげの2号さんについてはよくわかりませんが、ただ三雲の友達だというだけで、悪い人ではないと思います。 (2016年1月23日 21時) (レス) id: 34f11f5ff1 (このIDを非表示/違反報告)
ちか - 三雲っていう人の作品みたんですがあの人パクリをしたんですよね 障害をもってるとかなんとか しげの2号っていう人も関係あるみたいなのですがよくわかりません (2016年1月23日 21時) (レス) id: 684df4bb16 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:スノーデイ | 作成日時:2015年6月29日 15時