第38話「灰色の世界」 ページ40
気付くと、わたしはいつの間にか倒れていた。
頭を強く打ったようで、とにかく痛い。ものすごく痛い。
そしてなんとか起き上がった時、世界は変わっていた。
「………え……」
それはどこまでも果てしなく続く灰色の世界。まるで砂漠のように何もなくなっていて、瓦礫ひとつ見当たらないし、人の姿はもちろんない。
「…そうだ、菊。菊!どこ!?菊ッ!!」
菊。菊がいない。いやだ。こんなところにわたし一人だけなんていや!
「…A……さん…」
「菊!?」
菊はわたしの側で灰に埋もれていただけだった。目立った外傷はなく、それに菊の横にはアーサーからもらったカードが無傷の状態で見つかった。
「ああ…!よかった!わたし一人だけになったかと思った!」
「それにしても、これはどういうことなのでしょう?世界が灰に変わるとは。それに消えたのは家だけではなく、山も見当たりませんよ。」
言われてみればたしかにない。
「菊……」
「Aさん…」
不安にかられたわたしたち。
まるで親鳥を失った雛のように互いにその身を抱き寄せる。
空には奇妙な乗り物が一機…。
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スノーデイ(プロフ) - 私は日領こと露領(靴下)こと世界領((←さん» ありがとうございます。今は“まだ”ですがそのうちどうなるかと思うと怖いですよね。戦争を起こさないためにはどうしたら良いのかを考える切っ掛けになったのなら嬉しいです。コメントありがとうございました。 (2016年2月22日 21時) (レス) id: 34f11f5ff1 (このIDを非表示/違反報告)
私は日領こと露領(靴下)こと世界領((← - とても感動しました。戦争という事についてとても深く考えさせられる、とても素晴らしい作品でした。今は “ まだ ” 起きていない第三次世界対戦や第四次世界対戦、第五次世界対戦など、戦争について改めて一から考える切っ掛けとなりました。有り難うございました。 (2016年2月22日 20時) (レス) id: d4b1972073 (このIDを非表示/違反報告)
スノーデイ(プロフ) - にゃん。さん» 閲覧ありがとうございます。でも全然素晴らしくなんかないですよ。考察とかけっこう曖昧なところがあるので。それでもこうして丁寧なコメントを下さって本当に嬉しいです。これからも頑張ります。 (2015年12月17日 19時) (レス) id: cb443af24c (このIDを非表示/違反報告)
にゃん。 - 小説、全て読ませていただきました。戦争という難しい、そして悲しいテーマでこれほどまで素晴らしい小説を書かれたことに非常に感動しました。それはもう思わず涙を流してしまうほどには。素敵な作品を本当にありがとうございました。これからも楽しみに待っています (2015年12月13日 14時) (レス) id: 3296dfbe0f (このIDを非表示/違反報告)
スノーデイ(プロフ) - あかいそらさん» コメントありがとうございます!これからも感動してもらえるような作品が書けるように頑張ります! (2015年5月9日 2時) (レス) id: 34f11f5ff1 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:スノーデイ | 作成日時:2015年3月26日 23時