美人な彼女なんて【西谷夕】

の帰り ページ22

「Aー。着替えなくていいの？ジャージ授業はダメでしょ？」


『いいよー、面倒臭いし。なんかちょっと寒気もするし』



何故かわからないけど、今日の一時間目の授業から寒気が止まらない。
体育の途中なんか手が少し震える始末。
体も少し暑い…



「…熱とか言わないよね？」


『もしそうだったら？』


「…保健室行く？」


『んー…いいよ、どーせまた気の所為だと思うしっ！…痛ぁ、ごめんなさい！』



私が那乃を見ながら話していると、誰かにぶつかってしまった。



「…いえ、だいじょ…Aさんじゃないですか。なんでジャージなんですか」


「聞いてよ彼氏くん。この子、面倒臭いって言って着替えないで授業でるとか言ってるんだよ？」


『うるさいなぁ……って、あわぁ』


「…Aさん、なんか今日はおかしくないですか？」



月島くんは私のジャージの裾を引っ張って私を引き寄せていた。
目の前に写った月島くんは少しぼやけて見えた。



『そんなわ…け……』



月島くんに心配かけないように喋ろうとしたけど、視界がぼやけた。
足はいきなり力が抜けて…
私の記憶はそこで途切れてしまった。

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