ヒロイン解禁 ページ1
桃side
「はぁ…」
もう何回目ってほど今日はため息が出てくる
でもしゃあないやん。
「30cm…」
俺のスマホに表示される公式アカウント
それは10月から始まる流星の主演ドラマのもの
今日、ヒロイン役の女優さんが発表されてSNSは身長差に注目している
30cm差なんて、流星からしたら女優さんが可愛くて仕方ないやろうな
「なんで俺はデカいんやろ…」
女の人と並ぶ流星を見てモヤモヤするのなんて何回目?
流星より低い身長が俺にとっては羨ましすぎる
"ガチャッ"
青「ただいまー」
「…おかえり」
鍵の開く音にスマホをそっと閉じて、作っておいた夕飯を温め直すためにキッチンへ
青「今日も起きててくれたん?」
「流星より忙しくないし」
青「でも疲れてるやろ?温め直すだけなら自分でやるで」
手を洗った流星が隣に立って俺と交換してくれようとする
でも俺はそれを拒んで温め続ける
やって、この時間は俺にとって、最近の数少ない流星との時間やから。
「今日もドラマの撮影やったんやろ?」
青「おん。ほんまに恥ずかしかったわ笑」
「珍しいやん。流星がそんなに照れるなんて」
ここで可愛い言い方ができたら、流星もドキッとするんかな
こんな可愛くもない言い方を自分より背の高い彼女に言われても嫌よな
流星のこと、ドキドキさせたいのに。
ドラマの撮影とか、舞台とか…
流星が忙しくなって、一緒に過ごす時間が減ってるからこそ、2人の時は甘い時間過ごしたいのに。
だから毎晩、流星の帰りが遅くても寝ずに待ってるっていうのに、俺はなにしてんねん
こんなんやと、女優さんに流星取られてまうやん…
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作者名:まかろん | 作成日時:2023年10月1日 16時