先生とかぶき町5 ページ19
｢あれぇ？あなた誰ですか？万事屋一家の末弟は私です〜〜｣
｢私は銀時の古い知り合いのAと言いますが銀時……君はいつの間に極道になっていたのですか｣
｢違うから！｣
ただの親バカと化した次郎長さんと父親を尻に敷いたピラ子さんと共に辰羅を倒しながら、彼らの集団戦法を封じようと屋内戦に持ち込んだ。
そして辰羅の頭を倒し、街の中に侵入した解放軍を外に押し出そうと出口の方へ追い回した。
しかし、まだ生きていた荼吉尼の頭の一喝で解放軍の戦意が上塗りされてしまった。
そこに通りかかったのは屁怒絽さんだった。頭の一撃を特に防御することもなく受け止め、花を潰すところだったといつもの調子で言った。
｢新八くん、誰ですかあの人｣
｢万事屋の隣で花屋を営んでいる屁怒絽さんです｣
屁怒絽さんはただ花を潰したことに怒っていただけだったのだが、一瞬で解放軍を恐怖のどん底に叩き落とした。
｢A逃げるぞ！｣
｢え？あの人味方なんですよね？｣
｢いいから早くしろ！｣
真っ先に先生を連れて逃げ出す銀さんの前に、金棒が振り下ろされた。結野衆だった。
結野衆と巳厘野衆の召喚した化け物にしか見えない式神達に追われ、解放軍どころか僕達まで逃げるはめになった。
解放軍を、ついに撤退に追い込んだ。かぶき町に平和が戻った、と笑顔が零れたが、銀さんは動かないままだった。
どうやら屁怒絽さんの頭の上の花を折ると魔王のような性格が現れるらしかった。
｢A何とかしてくれ！お前長生きだろ、これくらいの事経験してるだろ！｣
｢年寄りって言いたいんですか｣
先生の拳が銀さんを吹き飛ばした。銀さんは何とか屁怒絽さんの花から手を離さないように耐えていた。
｢やっぱり平和が1番アルな｣
｢うん、そうだね｣
｢またこの街に戻ってこられて嬉しいです。良かった、何も変わっちゃいませんでした｣
どこか楽しそうな銀さん達を見ながら、僕らは束の間の平和を享受した。
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作者名：風寧 | 作成日時：2019年10月13日 2時
