先生と悪ガキ1 ページ11
｢誰でござるかこの女｣
｢うっせーな、俺達の敵の双子みたいなもんだって言ってんだろ｣
｢だから誰｣
快援隊の船に乗るなり銀さんと万斉さんの不毛な争いが始まった。
｢先生なんとか言ってやってくださいよ｣
｢事実なので否定のしようがありません｣
｢敵の双子だと？裏切らない保証はあるでござるか？｣
｢あたりめーだろ、その敵に襲いかかってったところ、俺も新八も見てる｣
｢俺達とは幼い頃から知り合いだ。無論、高杉もな｣
銀さんと桂さんが何とか説き伏せ、万斉さんを納得させた。
｢ありがとうございます、銀時、小太郎｣
｢別に……｣
｢当然のことをした迄だ｣
さん付けとか気持ち悪いから昔みたいに呼べという銀さんの要望で、先生は2人を呼び捨てで呼んでいた。
｢金時とヅラのちっちゃい頃の話、聞かせてくれんか、先生殿｣
｢ふざけんな今は思い出に浸ってる場合じゃねぇんだよ｣
｢貴様ただ知られたくないだけではないか｣
｢オイA何で笑ってんだ怖ェよ｣
｢今から名高い攘夷四天王が揃うかと思うと、攘夷戦争参加者の1人としては楽しみで仕方ありません｣
その後、徳川喜々公の艦隊が攻め込んできたが銀さん達の力であっさり撃退し、万斉さんが将軍を殴った。
洛陽に辿り着くなり、先生は別行動を申し出た。
｢虚は私のアルタナを感知できます。私がいると知れば即座に潰しにくるでしょう、離れた方が得策です｣
殆ど誰も納得していなかったけれど、先生の希望通りになった。先生は銀さんの結ったポニーテールを揺らし、身軽に雑踏の中へ消えていった。
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作者名：風寧 | 作成日時：2019年10月13日 2時
