幼なじみに依存されてます【虎杖悠仁】

８０話　嫌われてる ページ31

「俺が望むのは、ピッチャー虎杖との一騎打ちだ！！」



先輩がそんな意味の分からないことを大声で叫んだ。その声に反応して、私もそちらを向いたのだが



「お前がピッチャーやればいいじゃん」



「約束してくれブラザー。この打席、俺がホームランを打ったら次回お前がピッ(((



先輩が悠仁になにかを言っていたようだったが、その言葉は、先輩の体が吹っ飛ばされたことによって途切れた



「とっ、東堂！しっかりしろ！！」



「えっ先輩？！ちょっと待ってください、今氷嚢(ひょうのう)持ってきますから！」



とりあえずダッシュで氷嚢(氷入ってるヤツ)を取ってから戻ると、そこには、ナイスピッチング、や、ナイッピー、といった声が聞こえてきていた。ちなみに、仲間のはずの京都校の人からも



「東堂っ、お前っ！」



「めちゃくちゃ嫌われてる……」



性格からしてそこまで好感度が高いとは思わなかったが、まさかここまで嫌われているとは思わなかったわけで。私は、悠仁と顔を見合わせながら、とりあえず先輩の顔に氷嚢をあてた



「先輩……とりあえずこっちで休んでてください……」



悠仁が先輩をベンチまで運んでくれたので、そこで先輩に話しかける。ふつうに戦った傷なら今頃復活しているのだろうが、コレは多分心の傷だ。そっとしとこ


「シスターはやはりやさしいな……」



「いや、いつから私はあなたの妹になったんですか。もう狗巻先輩の番なんで行きますね」



なにか言っている先輩を置いて、みんなのところへ小走りで戻る



「東堂先輩なんかほっといても別によかったんじゃないか」



「そんなわけにもいかないでしょ。ってかみんな嫌いすぎじゃない……？」



恵にまでめちゃくちゃ毛嫌いされててかわいそう。まあ、意味わかんない言動もあるからみんなの気持ちも分かるんだけど



「おおっ、間に合った」



「狗巻先輩足速いんだよ」



「悠仁とか真希に隠れがちだけどな」



「すじこ」



そんな会話をしている三人の横で、ああーー！見逃したーー！と騒ぐ私。そんな私に、親指を立ててファンサ(？)をしてくれた狗巻先輩はやさしい。ってか私騒ぎすぎじゃね？


思った通り、歌姫先生にはびっくりした顔で見られたが気にしない。うん、気にしたら負けだ

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