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「まさか裏をかかれるとは。さすが探偵社は隅々まで人員が行き届いてるね」
ジョン・スタインベックはいつの間にか私達の乗っている車の近くに居た
「君達は葡萄の育て方を知ってる?葡萄の枝は他の植物と活着する力が強い。だから接ぎ木して育てるのさ。……こんな風に。」
ジョン・スタインベックは私達の近くにあった木に蔓をのばし、融合させる。そして……その木も私達の攻撃力として先を私達に向ける
「僕の“葡萄の樹と身体を融合させる”能力は力も、範囲も小さい。けど他の植物とこうして融合していれば、土地一帯の植物を身体の延長として使える。地中の根で振動を検知して逃げる誰かさんを見つけるのも簡単。って訳。………そう怖い顔しないでよ。少し頼みがあるだけさ。」
頼み………?
「……“頼み”?…悪党にとって“頼む”は、“利用して奪い使い捨てる”の類義ですわ。」
「“悪党”?参ったな、どうも誤解があるみたいだ。組合は悪の組織じゃないよ。もちろん僕も。……故郷に君くらいの歳の妹はいるんだ。そう、ここでは……高校生くらい、だね。大家族でね、夕食なんかは戦争さ。妹はパイが好物で、いつも僕の分まで食べる。…でも、可愛くて許しちゃうんだな。これが。」
「………だったら、私達を逃がして。」
ナオミちゃんの言葉にジョン・スタインベックは笑顔で____
バキィッ!
『「「きゃあああぁああぁあ!!」」』
木の根で車体を強く締め付けたのだ。
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作者名:ペネロッペ | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/Mayakaahah/
作成日時:2022年10月5日 11時