検索窓
今日:3 hit、昨日:0 hit、合計:35,396 hit

5 ページ23

ナオミちゃんや春野さんの息切れの音が聞こえるようになった頃、漸く麓に辿り着いた。




「列車……!あれですわ!」





もうすぐで列車だ____その時だった。





視界の端で、木の根がボコッと動くのがわかった





「きゃっ!」

『春野さん!』



座り込んだ春野さんの足下を見ると、足に絡まる木の根が見えた



もう見つかった!?





ザザザザザ___




木が揺れ動いた次の瞬間___






私とナオミちゃんは木に巻きつかれた




『「!!」』





そして、十秒は過ぎた。






ボーーボーーー





列車の汽笛が鳴る。このままでは……!







ボトッ!






急に締め付けていた木の動きが止まり、私たちは難なく抜け出せる






谷崎くんと、国木田さんのお陰だ。





「香里さん!春野さん!行きますわよ!」






私たちは列車へと走る







ボォオォーーーッボォオォオーーーーッ






列車は汽笛と共に走り出す






『!』





ナオミちゃんが手を伸ばし、列車に掴まる





「手を掴んで下さい!」





ナオミちゃんが私に手を差し出す








ちらりと後ろを見る






春野さんは息切れしていてもう走れないだろう。








私は春野さんの腰に手を回し、ナオミちゃんの方へ押し出す






「香里さん!?」







そして、なんとか春野さんはナオミちゃんの手を__握る。







『私は次の電車で行く!』

「駅で待ってますわ!」



「香里ちゃん、ありがとう!!」






列車は遠く、過ぎ去っていった

ウィル・オブ・タイクーン→←4



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 9.6/10 (42 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
77人がお気に入り
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:ペネロッペ | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/Mayakaahah/  
作成日時:2022年10月5日 11時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。