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「ファントム、ファントム……そんなのあったっけな」
二宮も探し直しているらしい。
「あ、ありました」
これ、と画面を指差した柳谷に、大野と二宮が身を乗り出す。
「アンドロイドに使われてる部品じゃないかと思われてる発注書。このサインが」
Fantomeだ。
「そのスペルのファントムか。てっきりphの方のファントムかと」
「そっちを意識してると私も思いますよ」
二宮と柳谷の会話に、クエスチョンマークが浮かんだ大野。
「何か違うの？」
「いや、言葉の意味は同じ。でもこっちのファントムは英語ではないんだよね。フランス語の表記になってる」
ふざけた名前使いやがって、と悪態をつく二宮。
「スピリットだのファントムだの、おちょくってるとしか思えない。全部実体がないものの言葉を使いやがって」
ファントムの意味は幻影や幽霊だ。
「他の人もこれは気づいてるだろうな。相葉さん、ファントムって言葉を通信で聞かなかった？」
「ファントム？」
ノートをめくっている相葉。
通信機から聞き取れた連絡をどうやら書き殴っているらしかった。
「ファントム……あった。えーと、霖隊からの連絡でその言葉があったよ」
「内容は？」
「ごめん、それは聞き取れてない」
「分かった。確認してみるわ」
通信機で話し始めた二宮を見て、大野はまた画面に目を戻す。
翻訳を入れたからこそ、すぐにファントムという文字が見えたのだろう。
ファントムという文字だけ、日本語に翻訳されないまま残っていたのだ。
英語をそのまま読んでいた櫻井は気づかなかったのかもしれない。
「メールに詳細を送った？ 分かった、確認する」
相手も言葉で説明するのが面倒だったのだろう。
「あぁ、確かにメール来てるわ……なんだこの量。どのメールか分かんねえよ」
メールボックスを更新して、舌打ちをした二宮。
「件名に簡単な内容を書けっていつも言ってるのに何でそれをしないかなあ」
文句を言いながらパソコンを操作している二宮を見て、相葉と松本が苦笑する。
こういう状況になった時、戦闘員にできることは少ない。
『こちら霖隊佐藤。雹隊二宮、確認できたか』
「確認できてない。何時に送った？」
『それはこちらも分からない』
「百件近くも来てるメールの中から探せ、と」
二宮の言葉に棘がある。
「件名、ちゃんと書きました？」
返事はない。
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翔成(プロフ) - 再開、待ってました！新しいお話の更新、楽しみにしてます！ (2022年9月3日 3時) (
レス) @page16 id: df0fa1ba00 (このIDを非表示/違反報告)
nyan(プロフ) - 折角なんで一から読み返して来ました。楽しかった〜♪ (2022年9月2日 17時) (レス) @page16 id: 2c77e9de22 (このIDを非表示/違反報告)
Kar(プロフ) - 嬉しいです(ृ´͈ ᵕ `͈ ृ ) 更新をのんびりお待ちしております！ (2022年8月30日 19時) (レス) @page15 id: 85f86a18df (このIDを非表示/違反報告)
nyan(プロフ) - おかえりなさい♪ (2022年8月30日 18時) (レス) @page15 id: 2c77e9de22 (このIDを非表示/違反報告)
ちろる - ちょいと寂しいけど、長い間ありがとうございました！良い人生を！ (2021年10月25日 0時) (レス) id: c48e44e08a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：翠霞チサ
| 作成日時：2021年8月11日 8時
