恋反病 ページ14
蒼弥side
この世界には
ある一種の病気がある
この病気は非常に厄介なのに
対処する薬もなく世間にも公表されていない
煩った人だけが知っている病気
"恋反病"
この病気にかかった人は
好きな人にだけ反対のことを言ってしまう
反対の行動をとってしまう
その為、どんなに好きでも
「嫌い」
としか言えないのだ
どんなに近づきたくても
避けるように動いてしまうのだ
この病気の唯一の治療法は
好きな人と結ばれる事
でも、本当のことを言えないのに
結ばれるなんて
よっぽどの事がないと無理だ
なんで俺がこの病気を知ってるのかっていうと
やっぱりそれは俺がこの病気にかかってるから
俺は優斗の事が好き
メンバーとしても、それ以上の存在としても
でも、そう思うたびに
反対の態度をとって、反対の言葉を吐き出してしまう
その度に優斗は悲しそうな顔をして
それがいっそう俺を苦しませた
そんな俺の唯一の理解者は瑞稀くん
瑞稀くんも恋反病にかかっていて
好きな人...はしもっちゃんに
冷たく当たってしまっていた
でも、なんとか分かってもらって
2人は結ばれた為今は平気らしい
今日も撮影があって
また彼を傷つけてしまった
椅子に座るのに、
優斗が俺のことを見て隣の椅子をトントンと叩いた
多分、"ここに座ってよ"
という意味だったんだろうけど
それが分かってしまった俺は
又逆の態度を取ってしまった
ツンと反対方向を向いて
作ちゃんの隣にゆっくりと腰掛けた
そのまま知らんぷりをして作ちゃんに話しかける
もう怖くて、
優斗の方は一度も見れなかった
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作者名：soya._.soya | 作成日時：2021年5月25日 22時
