シンデレラ・ストーリー

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玉「………………」



あ「………………」





帰り道。



2人とも、一言も話さない





てか、Aがしゃべらないから




俺もしゃべらない









なんてしゃべればいいのかわかんないし






今も手、繋いでるから





それだけで十分









って思ってたら






あ「…裕くん………」




A、急にしゃべりだした








玉「……んー？」




出来るだけ優しく言った



ていうか、気にしてない風に









あ「…太ちゃんって……


椿さんの事、好きなのかな…」








下を向きながら、小さく俺に言った








玉「………どうだろうね」





ガヤって、よくわかんないから。




そう言うと、




あ「そっか…」




って、小さく笑った









俺、Aの悲しそうな顔見たくないから









玉「昔もさー、皆で手繋いで帰ったよね」




必死に話題を変えた







あ「懐かしいね」




そしたら、ふにゃって笑ってくれて


安心した





玉「4人で横に並んでさー、


手繋いで一緒に学校行ってたね」





幼稚園も、小学校も、中学校も、高校の今も



ずっと一緒に行ってた





手を繋いでたのは、小学校までだけど









あ「今じゃ…四人なんて

めったに揃わないね」





Aの顔、ほんとにほんとに


悲しそうで




見てるこっちが辛くなる









あ「太ちゃん…いつも来ないから……」




俺バカだ



またガヤの話になってんじゃん









玉「……あ、そうだ！



えっと…今度さ、ミツの試合見に行こーよ」





ガヤの話は避けなくちゃ






あ「宏くんの試合…？」




玉「うん！そー」




あ「どうせ。太ちゃん来ないよね…」






あー。俺、バカ









玉「え、えっと……

あ！しゃべくり7見た？」




あ「見たよ」





玉「今週もおもしろかったよねー」



あ「あの番組、太ちゃん大好きだよね…」





…あー、もう！俺、本物のアホだ







玉「……え…と、その……」





どうしよう。ガヤが出て来ない話は…





あ「ねぇ、裕くん」




玉「え？」









.





.





あ「……ありがとね」







涙を流しながら、



俺に笑ってそう言った








あー、バレバレだったんだ









玉「……ごめん」





俺、かっこ悪いな


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