いろとりどり (ページ8)

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同棲=Yuta.J ページ8

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同じ扉から出て行き

お互いに違うドアを叩いても

結局同じ扉の前に戻ってくる

そんな君との『同棲』が始まって

もう何年？

きっと世間からすると
僕たちはゴールイン間近なんだと、
そう思うのが普通の感覚なのであろう。

実際のところ、お互いの生活を平行線にしたまま同棲が始まり、特に結婚話もしないまま今の今までやってきた。

もちろん意識しなかったことはない。
愛おしい人だから、一生をかけて守りたいと思っているし、ゆくゆくは子供だって欲しい。そう思っていた。

ただ、最近の僕らにはその話がどこか"タブー"のように扱われるようになった。

僕らが過ごしてきた月日の意味はなんだったのか。

＿＿＿なんだかんだジンが最初に結婚しそうだよな

＿＿＿わかる！幸せな家庭築いてそう

勇「好き勝手に言うなよ〜、俺だっていろいろタイミングとか考えてんだからさ！」

＿＿＿でもジン、Aちゃんといい感じ、なんだろ？

君との出会いは大学3年の頃。
友人に誘われた合コンに参加し、偶然目の前に座っていたのがAだった。

実際には一目惚れに近かったのかもしれない。そもそも合コンに乗り気ではなかったらしい君は、何を聞いても冷たくあしらい、常に時間を気にしていたようだった。

「本当に、大丈夫ですから...。」

勇「いいからいいから。駅まででもいいから送らせて？」

「う〜ん...。」

店の前で揉めること20分。お互いに折れずにいると、俺はふと思いついた。

勇「わかった。このまま見送る。けど、ちゃんとお家つけたか心配だから、お家ついたら連絡ちょうだい？」

今までの話を聞いている限り、律儀な子ではあるから、ここで強制的に連絡先を交換してしまえば連絡をせざるを得ないだろうと俺は考えた。

その日の夜、

家に着きました。

と一文だけが送られてきていた。

この時はまだ、関係性が発展するとは微塵も思っておらず、自分がこれほどに真剣に恋愛をするとも思っていなかった。