□生徒会長と入学式 ページ7
会議の後、Aは必死にマレウスを探したが結論から言うと彼は見つからなかった。
そもそも、時間の感覚が人間とは異なる妖精族を見つけることは非常に困難。
こう言う時Aは自分のユニーク魔法が探索系なら良かったのにと悔やむのだった。
魔法はイマジネーションだ。単純な魔力量だけがものを言う世界ではない。故に不足を補うために魔法薬やユニーク魔法と言うものが存在する。
よって戦闘向きではないユニーク魔法が案外重宝されたりするのだが、残念なことにAのそれは非常に戦闘向きであった。
「おやここにいましたか。もうすぐ入学式が始まりますよ」
『今行きます、学園長』
廊下の向こうより歩いてきた学園長に呼ばれる。どうやら彼も自分を探していたようだった。
Aは仕方なくマレウス探しを諦め入学式に向かった。
そう、向かったのだ。そして確かに途中まで入学式はつつがなく進んでいたはずなのだが...。
『学園長は一体どこへ...』
「ホントね。式の途中で飛び出して行っちゃったけど...」
生徒会長挨拶の時間になっても現れない学園長。
つい十分前までは居たはずなのにいきなり飛び出して行ったせいで新入生にもどよめきが広がっている。
「職務放棄...」
「腹でも痛めたんじゃないか？」
寮長らがそれぞれ呆れた表情で自分の寮を静まらせていると、鏡の間の扉が勢いよく開かれた。
「違いますよ！」
「あ、来た。」
話題の中心、学園長のお出ましだった。よく見ると新入生を連れている。
「全くもう。新入生が1人足りないので探しに行っていたんです。」
「え、ち、ちが、僕は...」
何やら異論がありそうな新入生だが、学園長は気にせず彼を闇の鏡の前に誘った。
「汝の名を告げよ。」
何もなかったかのように進められる組分け。お騒がせ新入生ともあり、全生徒の視線を一身に受けている。
新入生はすうっと息を吸って、覚悟を決めたように鏡に向かった。
「ゆうや、いや、ユウ...です」
最初の法は濁っていて聞き取れなかったが、どうやら彼の名前は「ユウ」と言うらしかった。
何はともあれ、つつがなく式典が進みそうでよかったとAは安堵した。
トラブルは少ないに越したことはない。新入生が勝手に棺を開けた件で明日は会議があるだろうし、できればこのまま平穏に...
「汝の魂の形は........................わからぬ」
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桔梗(プロフ) - あおいさん» コメントありがとうございます！大変励みになります。これからも本作をどうぞよろしくお願いいたします。 (2月17日 21時) (
レス) id: 8a1a5efa6e (このIDを非表示/違反報告)
あおい - コメント失礼します！とても面白いです！！素敵な作品をありがとうございます！お体に気をつけて更新頑張ってください！ (2月16日 20時) (レス) id: 63ae223e49 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：桔梗 | 作成日時：2024年2月12日 23時
